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	<description>今 敏 エッセイ</description>
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		<title>さようなら</title>
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		<pubDate>Wed, 25 Aug 2010 05:23:50 +0000</pubDate>
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		<category><![CDATA[日常]]></category>

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		<description><![CDATA[忘れもしない今年の5月18日。 武蔵野赤十字病院、循環器科の医師から次のような宣告を受けた。 「膵臓ガン末期、骨の随所に転移あり。余命長くて半年」 妻と二人で聞いた。二人の腕だけでは受け止められないほど、唐突で理不尽な運命だった。 普段から心底思ってはいた。 「いつ死んでも仕方ない」 とはいえあまりに突然だった。 確かに兆候はあったと言えるかもしれない。その2〜3ヶ月前から背中の各所、脚の付け根などに強い痛みを感じ、右脚には力が入らなくなり、歩行にも大きく困難を生じ、鍼灸師やカイロプラクティックなどに通っていたのだが、改善されることはなく、MRIやPET-CTなどの精密機器で検査した結果、いきなりの余命宣告となった次第である。 気がつけば死がすぐ背後にいたようなもので、私にはどうにも手の打ちようもなかったのだ。 宣告の後、生き延びるための方法を妻と模索してきた。それこそ必死だ。 頼もしい友人や強力この上ない方の支援も得てきた。抗ガン剤は拒否し、世間一般とは少々異なる世界観を信じて生きようとした。「普通」を拒否するあたりが私らしくていいような気がした。どうせいつだって多数派に身の置き所なんかなかったように思う。医療についてだって同じだ。現代医療の主流派の裏にどんなカラクリがあるのかもあれこれ思い知った。 「自分の選んだ世界観で生き延びてやろうじゃないか！」 しかし。気力だけではままならないのは作品制作とご同様。 病状は確実に進行する日々だった。 一方私だって一社会人として世間一般の世界観も、半分くらいは受け入れて生きている。ちゃんと税金だって払ってるんだから。立派には縁遠いが歴とした日本社会のフルメンバーの1人だ。 だから生き延びるための私的世界観の準備とは別に、 「ちゃんと死ぬための用意」 にも手を回してきたつもりだ。全然ちゃんと出来なかったけど。 その一つが、信頼のおける二人の友人に協力してもらい、今 敏の持つ儚いとはいえ著作権などの管理を任せる会社を作ること。 もう一つは、たくさんはないが財産を円滑に家内に譲り渡せるように遺言書を作ることだった。無論遺産争いがこじれるようなことはないが、この世に残る妻の不安を一つでも取り除いてやりたいし、それがちょいと向こうに旅立つ私の安心に繋がるというもの。 手続きにまつわる、私や家内の苦手な事務処理や、下調べなどは素晴らしき友人の手によってスピーディに進めてもらった。 後日、肺炎による危篤状態の中で、朦朧としつつ遺言書に最後のサインをしたときは、とりあえず、これで死ぬのも仕方ないと思ったくらいだった。 「はぁ…やっと死ねる」 なにしろ、その二日前に救急で武蔵野赤十字に運ばれ、一日おいてまた救急で同じ病院へ運ばれた。さすがにここで入院して細かい検査となったわけだ。結果は肺炎の併発、胸水も相当溜まっている。医師にはっきり聞いたところ、答えは大変事務的で、ある意味ありがたかった。 「持って…一日二日……これを越えても今月いっぱいくらいでしょう」 聞きながら「天気予報みたいだな」と思ったが事態は切迫していた。 それが7月7日のこと。なかなか過酷な七夕だったことだよ。 ということで早速腹はきまった。 私は自宅で死にたい。 周囲の人間に対して最後の大迷惑になるかもしれないが、なんとしてでも自宅へ脱出する方法をあたってもらった。 妻の頑張りと、病院のあきらめたかのような態度でありつつも実は実に助かる協力、外部医院の甚大な支援、そして多くの天恵としか思えぬ偶然の数々。 あんなに上手く偶然や必然が隙間なくはまった様が現実にあるとは信じられないくらいだ。「東京ゴッドファーザーズ」じゃあるまいし。 妻が脱出の段取りに走り回る一方、私はと言えば、医師に対して「半日でも一日でも家にいられればまだ出来ることがあるんです！」と訴えた後は、陰気な病室で一人死を待ち受けていた。 寂しくはあったが考えていたのはこんなこと。 「死ぬってのも悪くないかもな」 理由が特にあるわけもなく、そうとでも思わないといられなかったのかもしれないが、気持ちは自分でもびっくりするほど穏やかだった。 ただ、一つだけどうしても気に入らない。 「この場所で死ぬのだけは嫌だなぁ…」 と、見ると壁のカレンダーから何か動き出して部屋に広がり始めるし。 「やれやれ…カレンダーから行列とはな。私の幻覚はちっとも個性的じゃないなぁ」 こんな時だって職業意識が働くものだと微笑ましく感じたが、全くこの時が一番死の世界に近寄っていたのかもしれない。本当に死を間近に感じた。 死の世界とシーツにくるまれながら、多くの人の尽力のおかげで奇跡的に武蔵野赤十字を脱出して、自宅に辿り付いた。 死ぬのもツライよ。 断っておくが、別に武蔵野赤十字への批判や嫌悪はないので、誤解なきよう。 ただ、私は自分の家に帰りたかっただけなのだ。 私が暮らしているあの家へ。 少しばかり驚いたのは、自宅の茶の間に運びこまれるとき、臨死体験でおなじみの「高所から自分が部屋に運ばれる姿を見る」なんていうオマケがついたことだった。 自分と自分を含む風景を、地上数メートルくらいからだろうか、ワイド気味のレンズで真俯瞰で見ていた。部屋中央のベッドの四角がやけに大きく印象的で、シーツにくるまれた自分がその四角に下ろされる。あんまり丁寧な感じじゃなかったが、文句は言うまい。 さて、あとは自宅で死を待つばかりのはずだった。 ところが。 肺炎の山を難なく越えてしまったらしい。 ありゃ？ ある意味、こう思った。 「死にそびれたか(笑)」 [...]]]></description>
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		<title>親切なお節介</title>
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		<pubDate>Mon, 23 Aug 2010 06:44:58 +0000</pubDate>
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		<category><![CDATA[考察]]></category>

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		<description><![CDATA[親切なお節介 親切な、というより単にリストに漏らすには惜しいという選び手の事情でもうちょっと上げておく。 クソ暑いこの夏に、ど～んと景気よくぶちまけてみようじゃないか、オッさんくさい趣味を。   『酔いどれ天使』（1948、黒澤　明） 『野良犬』（1949、黒澤　明） 『生きる』（1952、黒澤　明） 『蜘蛛巣城』（1957、黒澤　明） 『隠し砦の三悪人』（1958、黒澤　明） 『椿三十朗』（1962、黒澤　明）  『晩春』（1949、小津安二郎） 『麦秋』（1951、小津安二郎）y 『お早う』（1959、小津安二郎） 『カルメン故郷に帰る』（1951、木下恵介）   『にっぽん昆虫記』（1963、今村昌平） 『赤い殺意』（1964、今村昌平） 『幕末太陽傳』（1957、川島雄三） 『人情紙風船』（1974、山中貞雄）  『荒野の決闘』（My Darling Clementine,1946、ジョン・フォード） 『アパッチ砦』（Fort Apache,1948、ジョン・フォード） 『黄色いリボン』（She Wore a Yellow Ribbon,1950、ジョン・フォード） 『リオ・グランデの砦』（Rio Grande ,1950、ジョン・フォード） 『静かなる男』（The Quiet Man,1952、ジョン・フォード）  『情婦』（Witness for the Prosecution,1957、ビリー・ワイルダー） 『アパートの鍵貸します』（The Apartment,1960、ビリー・ワイルダー） 『あなただけ今晩は』（Irma　la Douce、1963、ビリー・ワイルダー） 『北北西に進路を取れ』（North by Northewest、1959、アルフレッド・ヒッチコック） 『めまい』（Vertigo,1958、アルフレッド・ヒッチコック） 『知りすぎていた男』（The Man Who Knew Too Much,1956、アルフレッド・ヒッチコック） 『博士の異常な愛情』（Dr.Strange Love:or [...]]]></description>
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		<title>「夢みる機械」班が選ぶ映画100・後編</title>
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		<pubDate>Wed, 18 Aug 2010 09:46:25 +0000</pubDate>
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		<category><![CDATA[日常]]></category>

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		<description><![CDATA[では後半50本。   『天国の日々』（Days of Heaven,1978,テレンス・マリック） 『小さな恋のメロディ』（Melody,1971,ワリス・フセイン） 『ミツバチのささやき』（EL ESPIRITU DDE LA COLMENA,1973,ビクトル・エリセ） 『オール・ザット・ジャズ』（All That Jazz,1979,ボブ・フォッシー） 『グロリア』（Gloria,1980,ジョン・カサヴェテス） 『バーディ』（Birdy,1984,アラン・パーカー） 『目撃者　刑事ジョン・ブック』（Witness,1985,ピーター・ウィアー） 『ブルー・ベルベット』（Blue Velvet,1986,デヴィット・リンチ） 『ミッドナイト・ラン』（Midnight Run,1988,マーティン・ブレスト） 『ダイ・ハード』（Die Hard,1988,ジョン・マクティアナン）   『レザボア・ドッグス』（Reservoir Dogs,1992,クエンティン・タランティーノ） 『パルプ・フィクション』（Pulp Fiction,1994,クエンティン・タランティーノ） 『ロック・ストック＆トゥー・スモーキング・バレルズ』（Lock,Stock and Two Smoking Barrels ,1999,ガイ・リッチー） 『ショーシャンクの空に』（The Shashank Redemption,1994,フランク・ダラボン） 『セブン』（Seven,1995,デヴィット・フィンチャー） 『エイリアン』（Alien,1979,リドリー・スコット） 『エイリアン２』（Alien2,1986,ジェームズ・キャメロン） 『ブレードランナー』（Blade Runner,1982,リドリー・スコット） 『未来世紀ブラジル』（Brazil,1985,テリー・ギリアム） 『マッド・マックス２』（Mad Max2:The Road Warrior,1981,ジョージ・ミラー）   『ターミネーター』（The Terminator,1984,ジェームズ・キャメロン） 『ロスト・チルドレン』（La Cite des enfas perdus,1995,ジャン・Ｐ・ジュネ＆マルク・キャロ） [...]]]></description>
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		<title>「夢みる機械」班が選ぶ映画100・前編</title>
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		<pubDate>Tue, 17 Aug 2010 09:48:04 +0000</pubDate>
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		<category><![CDATA[日常]]></category>

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		<description><![CDATA[「夢みる機械」班が選んだ映画100本である。 班、といっても主に今敏の判断、鈴木美千代のアドバイスによって選ばれたもの。 「ベスト100」というわけではなく、あくまで我々スタッフの普段の会話に出て来やすいタイトルを中心としているので、奇妙なものも混じっている。 こういうのを人前に出すのって、難しいんだよね(笑) ま、あくまで「うちの趣味」ということで。 ちなみに順序や10本毎のまとめは便宜上のものである。 前半50本   『長い灰色の線』（The Long Gray Line,1954,ジョン・フォード） 『素晴らしき哉、人生！』（It’s Wonderful Life ,1946,フランク・キャプラ) 『お熱いのがお好き』（Some Like It Hot,1959,ビリー・ワイルダー） 『麗しのサブリナ』（Sabrina,1954,ビリー・ワイルダー） 『サンセット大通り』（Sunset Boulevard,1950ビリ・ワイルダー） 『第十七捕虜収容所』（Stalag17,1953,ビリー・ワイルダー） 『ローマの休日』（Roman Holiday,1953,ウィリアム・ワイラー） 『アラビアのロレンス』（Lawrence of Arabia,1962,デーヴィッド・リーン） 『鳥』（The Birds,1963,アルフレッド・ヒッチコック） 『裏窓』（Rear Window,1954,アルフレッド・ヒッチコック）   『サイコ』（Psycho,1960,アルフレッド・ヒッチコック） 『十二人の怒れる男』（12Angry Men,1957,シドニー・ルメット） 『時計仕掛けのオレンジ』（A Clockwork Orange,1971,スタンリー・キューブリック） 『シャイニング』（The Shining,1980,スタンリー・キューブリック） 『2001年宇宙の旅』（2001:A Space Odyssey,1968,スタンリー・キューブリック） 『ストーカー』（Сталкар,1979,アンドレイ・タルコフスキー） 『惑星ソラリス』（Солярис,1972,アンドレイ・タルコフスキー） 『未知との遭遇』（1977,Close Encounters of the Third Kind) 『ジョーズ』（Jaws,1975,スティーブン・スピルバーグ） 『スター・ウォーズ』（Star [...]]]></description>
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		<title>好ましい物たちがさらに続く</title>
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		<pubDate>Mon, 16 Aug 2010 11:38:24 +0000</pubDate>
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		<description><![CDATA[町山智浩の映画批評。 「映画の見方がわかる本」などの著書はあまりの面白さにグイグイ読んだ。すでに持っている本もよけいに買って他人に勧めたくらいだ。もちろんPodcast「アメリカ映画特電」も大のお気に入りで、何べん聴いたか分からないほどだ。これもiPodに収まるので手放すことはないだろう。 映画を観るプロってほとんどいないからなぁ、この国では。 評論家と称する業界ゴロが大半だ。 この間のLOFTでの帰国トークライブには心底感動した。 必要なのに誰もやってないことに気づいてしまったら、自分に出来るとか出来ないではない。 「でも、やるんだよ！」 くぅ！泣けたな、本当に。 元々、町山智浩を知ったきっかけは、今をときめく内田樹先生。 近年これほど考え方で影響を受けた(気になっているだけかもしれないが)方は他にない。7~8年前に阿佐ヶ谷の書店で「寝ながら学べる構造主義」に視線を捉えられて以来、著作はほぼすべて新刊を購入して貪るように読ませていただいた。 知的好奇心と娯楽性にも溢れた内容ばかりだった。しかし年々刊行点数も膨大になり、本棚の占有率も膨大に(笑) ヒラサワという扉の向こうに河合先生始めとした広い世界が開けたように、ウチダセンセイの扉を通って、私はこれまた広大な世界に遭遇出来た。その筆頭は村上春樹だった。今ではすっかり大ファンである。それまで何故か読まずぎらいだった。家内が以前からの村上ファンで、自宅に「宝」があるのに気付かなかった。読むきっかけは、河合隼雄先生と内田先生のおかげである。 橋本治、平川克巳、養老孟司、加藤典弘、といった面々も内田先生の扉からアクセスした知性であろうか。 まだまだ上げればキリがないので、このくらいにしておこう。 最後に、自分のこれまでに重ねて来た仕事というのも、まぁ大切な財産と思っておくか。私にとっては「子供」みたいなものだし、アニメーション作品も漫画や書籍は大切な物たちだ。 自分の考え方と身につけた技術が具体的な形で見えるものだしな。だからって、新しい仕事としての用でもなければ見返すこともないのだが。 しかし、たまに過去の仕事を目にすると、恥ずかしい話しだが意外と励まされることもある。 何というか、こんな感想。 「うわぁ、私が描いたのか、これ!?」 自分の中に他人を発見するのはなかなか刺激的な体験である。 過去に自分が書いた雑文を読んでいても、まるで「同じような考え方をする他人」の文章を読んでいるような気がして新鮮な気持ちになる。 別に自画自賛しているわけじゃないぞ(笑) 大切なものについて書いていたのに何だかよく分からないことになってきたが、しかし上にあげてきた大半の物は、どれもみんな今時のパソコン一台のハードディスクに収まってしまうな。 何だ、結局見かけ上はパソコンが大事なだけみたいで、ガッカリだな(笑)]]></description>
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		<title>好ましい物たちが続く</title>
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		<pubDate>Sun, 15 Aug 2010 03:26:03 +0000</pubDate>
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		<description><![CDATA[五代目古今亭志ん生の落語。 去年の始め頃だったか、「大人買い」というか「ヤクザ買い」みたいな真似をして、Windowsマシンならかなりな高級機を買えるくらいの投資をした。 今となってはこれは手放せないな。パソコンに取り込んだので元のCDはなくてもいいが。 寝る前や仕事時の耳の友であり、世に溢れる木っ端役人が撒き散らす真面目毒によく効くワクチンだ。 志ん生以外にはほとんど落語は聞かない。 落語が好きなのではなく志ん生が好きなようである。 志ん生の落語は聴いているだけで「カット割り」が目に浮かぶようだ。そんな落語家、他にいるのだろうか。 志ん生の落語を初めて教えてもらったのは、四半世紀も前の頃、大友克洋さんの仕事場であった。 近未来漫画と志ん生。落差がまたカッコイイのであった。 大友さんに紹介してもらったものは落語、音楽、漫画、映画、写真集、食べ物、酒……数えられないほど多く、種類も多岐に渡る。 二十歳のころに大友さんに出会えたことはとんでもない幸運で、自分でも把握しきれないほどの財産になっている。 本当にありがとうございます。 さて夢のない話だが、ヒラサワやP-model、志ん生のCD100枚入れてもiPodは余裕。私の積年の貴重な体験がこんな小さな箱に収まるのかと思うと、ちょっと口惜しい気さえしてくる。 何度も何度も繰り返し読んでいる漫画といえば、諸星大二郎と中崎タツヤの単行本。何度読み返していることか。 こればかりはいかに本棚を専有しようと手放せない。並べておきたい。 そもそも、なぜこのカプリングで名前を上げるのかも奇妙な話だが(笑) 私の中で漫画の巨匠といえばこのお二方なのである。 ちなみに劇画史上最高傑作を問われたら私は迷わず大友さんの「童夢」を上げる。 無論他にも好きな漫画家、尊敬する漫画家はたくさんあれど、私にとって寝る前に味わい直す「ナイトキャップ」といえばこの巨匠二人をおいて他にないのである。 どれもが傑作だが諸星大二郎なら「西遊妖猿伝」。 中崎タツヤなら「じみへん」。 すでに分かっている話や展開、オチだからこそ味わえる絵や演出。 そこが肝心だ。 諸星先生には果てなき漫画の異界のさらに彼方を、中崎先生には人生の何たるかを教わるばかりである。 永遠のバイブルだ。]]></description>
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		<title>好ましい物たち</title>
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		<pubDate>Thu, 12 Aug 2010 12:31:48 +0000</pubDate>
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		<category><![CDATA[日常]]></category>

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		<description><![CDATA[少なくとも現在身の回りにどうしてもあって欲しい物。 隣人愛とか才能とか根性とかそういう無形のものではなく(笑)、単に物。 忘れられない物や、今敏の形成に大きく影響したであろう物たちも含めて考えてみよう。 まず、ヒラサワの音楽。 これはないと絶対に困る。 20年ほど前に「世界タービン」「ロケット」に電撃的啓示を受けて以来、私にとって平沢進とその音楽は、想像と創造、気力の源であり続けている。 これほど今敏の形成に影響を与えた物は他にないのではないか。と、自分では思っている。 ヒラサワを少しでも理解しようと読み出したのが、河合隼雄。 私はユング心理学は直接触れたことはないが、河合先生の著作は随分な数を読み広く深く影響を受けた。どういう影響なのかは自分でも定かではないが、ヒラサワという扉から開けた世界に河合先生的な裏打ちを自分なりに育てたからこそ、「パーフェクトブルー」以後の奇妙な物語が産まれたことに間違いない。 文化庁メディア芸術祭の授賞式でお目にかかれたのは光栄の至りであった。 しかし買い揃えた著作の数がかなりの巾をきかせている。すでに血肉化したと信じて処分するのも仕方あるまい。 ルートヒラサワで知り得た宝にはカート・ヴォネガットもあった。邦訳の出ているものはすべて読んだはずだが「スローターハウス5」は小説も映画も手放せない一品である。]]></description>
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		<title>つぶやき</title>
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		<pubDate>Sat, 07 Aug 2010 11:40:09 +0000</pubDate>
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		<description><![CDATA[こちらでつぶやき始めました。 http://twitter.com/konsatoshi]]></description>
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		<title>捨て神様</title>
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		<pubDate>Fri, 06 Aug 2010 05:22:44 +0000</pubDate>
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		<category><![CDATA[日常]]></category>

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		<description><![CDATA[思うところあって身辺整理をしている。 本もDVDも、本棚ごと処分するつもりで捨てたり、欲しい人に譲ったりしようとしている。衣類や諸々のジャンク、思い出がまつわるものだってどんどん捨てる。 そう思っているだけで、まだ実際には我が家から物々どもが姿を消していないあたりが歯がゆいのだが。ものを捨てるにも分別と段取りと金銭が要る社会だ。 「漫画家時代の一部不愉快な記憶と仕事はどの袋に入れて何曜日に出すのでしょう？」 武蔵野市のウェブサイトはこたえてくれない。 物を持っていること、物ものに囲まれていることにうんざりしてきた。 「持ってたってしょーがねえよ！」 長年の長髪を坊主頭にしたのと同じく、あまりに毎日暑いから身の回りを少しでもスッキリさせたいという気もある。 いつか、私に限らず誰かのためになるかと思って抱え込んでいた物々だが、もういいや。知ったこっちゃない。捨て捨て捨て捨て！ 「捨て神様」降臨。 我が家では思い切って物たちを処分する気になることをそう呼んでいる。 年末の大掃除の時期でもないのに私に取り付いてくれたようだ。 しかも捨て神様の中でも精鋭だぞ、これは。捨て神様海兵隊。それじゃ規律に危険がいっぱいか。 どんどんどんどん物を処分していると、捨て神様は加速するようでいっそう捨てることに快感を覚えるようになる。 私まで生ゴミに出されそうな勢いだ。 入るゴミ袋がなさそうだが。 捨てる衣類は黒の山だ。いつの頃からか無彩色ばかり身につけるようになったな…おお、四半世紀に渡る確定申告の書類！歯抜けの年度もあるが近年はけっこう頑張って働いていたじゃないか！…それに比べて昔は……などと感慨や感傷や鑑賞にふけっている場合じゃない。そんな気分さえゴミ袋に流し込むのだ。 あばよ。 自室の6畳間のみならず、廊下や寝室まで占拠していた多くの単行本も新書も文庫もごくごく一部を除いて処分。後輩、後進たちにとっても面白い本や役立つであろう本は多々あるが、年齢が違えば全然異なる現在があるのだろうし。同じものに興味を持てというのも無理だわな。本当は少しくらい「お節介」な真似もしたかったが、捨て神様に従うことにした。 私は多くのものを抱えてドンと構えていられるような器でも金持ちでもない。何せ人間的スケールは自室同用6畳がいいとこだ。日本人としてちょうどいいですよ。あ、その割に布団のサイズに困るが。図体がでかいのはちょいと恥ずかしい。 大きなところではお気に入りのマッサージ &#8220;ガンダム&#8221;チェアも処分した。 これは茶の間に新たに導入するものがあったせいで、半ば仕方のない処分だったのだが、捨ててみると(といっても、ある関係先に引き取ってもらったのだが)何とスッキリしたことか。処分に少々の金銭がかかることもやむを得まい。 何、もしかいつか欲しくなったら、その時また手にいれればいいだけのことだ。その頃にはもっといいものに進歩しているに違いないし。 そう、すべてはそうなのだ。 そんな簡単なことに気づかなかったなんて。 二度と手に入らない物なんて、そうあるわけじゃない。 命と思い出、大切な家族や大事な友人は失われたら回復しようはない。 しかし物たちのほとんどは、まったく同じでないにせよ同じような満足をもたらせてくれるものにはこの先にだって出合えるような気がする。 これまでだってそうだったんだし。 その時どれだけ大切に思えたようなかけがえのないものだって、旬を過ぎれば優先度は下がってくる。それは何も飽きたのではなく血肉化したからだろう。そう思いたい。必要なものはすでに血や肉として携えらている。 私の脳や身体に蓄えられた物の考え方、価値観、長い時間かけて訓練された技術などは捨てようにも捨てられないし、だいたい何のゴミに分別するべきか(笑) 私にはコレクター的な嗜好はないようだ。 物への愛も非常に薄いらしい。 昔、ムーンライダースがアルバム「アマチュアアカデミー」の中で「ものに対する愛」というフレーズを歌っていて、いまだに印象的なのだが、どーもそーゆーアイには縁遠いらしいのでR。 私の演出的淡白さも根が同じような気もするので少し残念な気もするが、こだわりは少ない方が生きるにはこれも楽だろう。 私はディテールに拘ると思われがちだが、どちらかというとディテールそのものよりもそれらの密度に傾斜しやすいのではないかと思われる。 枯れ木も山の賑わいが好きというか(笑) だから自宅も仕事場も、大して重要でもないものがその数だけ増大させるというか。多分そうだな。 本もDVDも見返したり読み返したくなったらその時また手にいれればいい。 どうしても傍に置いておきたいものなんてそんなに数があるわけじゃないんだ、と改めて思い知らされている次第である。 しかしまぁ、呆れるほど狭いスペースに物を溜め込んでいたことだよ。まるでパズルだ。 それにも事情はあるのだが、その点についてはまた稿を改めるとして、私にとって「どうしても手元に置いておきたい大切な物たち」とはどんなものだろう？ 先にも触れたが、まことに重要なものとは自分の命とこれまでに身につけて来た考え方や思い出、技術やセンスといったものであり、それに家族や友人がまさに掛け替えのないものだ。 他に何が要るだろう？ 次回はそんなことを具体的に考えてみるかな。]]></description>
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		<title>株式会社KON&#8217;STONE</title>
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		<pubDate>Sun, 01 Aug 2010 06:52:28 +0000</pubDate>
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		<category><![CDATA[仕事]]></category>

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		<description><![CDATA[会社を作ることにした。 作るというより、ほとんど作ってもらっているに等しいが。 「株式会社KON&#8217;STONE」 コンズトーンと発音いただきたい。 「今の調子(tone)」であり、私の化石好きを反映させた「今の石」という意味もこめられ、それはまた石のように永く在り続けるものであって欲しいという思いに通じている。 さらに欲張りなことに、早口で発語すると「混沌」の響きも幻のように現れるという狙いもある。 だからなるべく「ズ」は軽めに発音してもらいたい。 掴みどころのない混沌と石のように固い秩序を合わせ持った創作物を生み出していきたいと思っている。 社名を考えるにあたっては新規も含めてあれこれ迷ったのだが、結局長年ウェブサイトのタイトルとして、あるいは単行本のタイトルとしても使って来たKON&#8217;STONEに落ち着いた。馴染みがあるというのは実にいいものだ。目新しさに追われるよりもずっといい。 さて、この会社。 この私が社長である！と胸を張りたいところだが、私の役職は支店長だ。ウソウソ。「取締られ役」ということになっている。 代表取締役は私の妻でもある者だ。いかにも身内で作った感がするだろうが、その通り。 この時期に何故会社設立なのか疑問に思われる向きもあろうが、別に急に思い立ったわけでもなく、前々から作ろう作ろうと思っていたのが、ここにきて強力な協力者を得ることができ、一気に具体化の運びとなった次第。 この社を共に設立してくれる強力な仲間は、高校時代からの友人である有能な編集者と、私などには絶対にないような交渉力を備えたプロデューサーである。 肝心な設立の目的は無論税金対策だ。儲かって儲かって困っている。てなことを言ってみたいもんだ。 理由は色々あれど、中心にあるのは私の無邪気な欲望だろう。つまりこういうこと。 「自分の会社が欲しくなった」 この他人に迷惑をかける無邪気さは、先にブログで記した「iPadが欲しいったら欲しい！」という駄々と一緒だ。 ま、本当のところは面倒くさがりの私にオムツをあてがうようなもので、権利関係などの管理や交渉ごとを代理してもらい、また今後「小商い」をするために社会的な信用を得るという面もある。 何につけ、世間では個人よりも会社組織の方が通りがいいものらしい。つまり、そんなことも知らない世間知らずだからこそ、小規模とはいえ組織という保護が必要になってきたということだろう。 取立てて大きな事業計画があるわけでもないが、手始めに会社のウェブサイトでの物販からでもスタートしたいと考えている。 目新しいものは出て来ないかもしれないが(私が色々なことで忙しいせいでもある)、懐かしいものや手にしやすいもの、深く今敏監督映画を楽しんでくれる方々や映像を志す人などには意外とためになるものなども商品棚に並べたいと思っている。 フライング気味の告知になってしまったが、発言することで実現化へ加速しようという魂胆でもある。 乞う、御期待。]]></description>
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