2008年1月8日(火曜日)

年末年始・その7



もういい加減にしたいところだが、重ねて言う。
あけましておめでとうございます。

正月3日はお昼に起床。寝過ぎである。
正月らしい晴天の下、ヨーカ堂に買い物に出かける。この日は「舌の肥えた」ゲストが来られるので、粗相があってはならない。メニューはしゃぶしゃぶ。具材の王様である松阪牛はすでに揃えてあったが、細々としたものを買い足しておく。
帰りがけ、酒屋によってドンペリなどを買い増ししておく。

夕方近く、ゲスト夫婦が来宅。もうじき2歳のお子様も一緒である。
ありふれた感想だが、子供の成長はおどろくほど早い。一年前に見たときはほんの赤ちゃんだったのに。顔つきもしっかりして、コミュニケーションも多彩になっている。
次に会ったら大人になっているんじゃないのか(笑)
シャンパンで乾杯。
今年もよろしくお願いします。
この日のゲストは他ならぬ当ウェブサイトのリニューアルに尽力してくれた、私の高校時代の同級生である。かれこれ30年近いつきあいということになる。おやまぁ。

彼にはウェブサイトのリニューアルという個人的な仕事だけでなく、現在もう一件オフィシャルな仕事でも尽力してもらっている。
年も明けたし、発売も近づいてきたのでここで紹介させていただこう。そのオフィシャルな仕事というのはこれ。
『パーフェクトブルー』リニューアル版
発売されるのはDVDとブルーレイ。それぞれ通常版とBOX版があり、発売日は確か2月29日。今年は閏年である。
聞くところによると、『パーフェクトブルー』が劇場公開されたのは、1998年の2月28日だという。公開から10年経って、装いも新たに高画質仕様で再登場する次第。
高画質になるとは言っても、本篇に手を入れているわけではないが、その代わりに「特典」を新たに追加している。
最初にリリースされたDVD(¥7,800!)、廉価版として再発されたバージョン両方共に収録されている特典映像は、非常に丁寧に作られていたと思うしボリュームも十分であったが、さらに特典を追加したのは、すでにソフトを持っている人にも出来れば何とか一つたいへん申し訳ないけれど再びお買い上げ願いたいという発売元の願いが込められている。
新たに追加したのは以下の三点。
1・オーディオコメンタリー(演出・松尾 衡と監督による)
2・特典映像『パーフェクトブルー』講座(監督による)
3・絵コンテ本
うろ覚えで申し訳ないが、確か「1」は通常版にも収録されるはず。
「2」と「3」はボックス版のみ。
ブルーレイ版の「2」はロングバージョンとなっている。
宣伝はこのくらいにして、詳細はまた改めて紹介させていただく。

ゲストの彼にお願いしているのが、上記の絵コンテ本の編集である。コラムも書いてもらっている。
彼は編集者・ライターであり、「ファッシネイション」の主である。
http://www.fascination.co.jp/
彼はまた無類の「まめ」人間である。別に小さいわけではない。その豆ではなくてまめまめしいの「まめ」。
大学生の頃、互いに親元を離れアパート暮らしをしており、時折互いの部屋を尋ねては酒盛りをしていた。その時は私が彼の家に厄介になり、そのまま泊まらせてもらった。私が翌朝目が覚めたときに見た光景はいまでも忘れられない。
彼は、正座して自分のズボンにアイロンがけをしていた。
心底すごいと思った。
私には彼の百分の一のまめさもない。
そんな彼であるから、料理の腕も確かであり、何よりまめなのである。
この日彼が持参したお土産は、手製のローストビーフと昆布巻きであった。
さらにお土産としていただいた大吟醸の日本酒などをいただきつつ歓談。
北海道の酒として知名度もある「男山」の純米大吟醸。
彼、曰く。
「男山のくせに純米大吟醸なんてものを出して、いっちょまえの値段を取ってやがる。美味いかどうかは分からん」
屈折した郷土愛である(笑)
我々が子どもの頃、北海道では、美味しい酒や米といえば「内地(本州のこと)」ものが相場であった。それが今では温暖化の影響で北海道の米も美味しくなったというのだから、時の隔たりを感じさせるが、たかだか3〜40年でそこまで変わってしまうなど少々怖ろしくもある。
「男山」純米大吟醸は吟醸香のフルーティな味わいは「おとこやま」というより「おやま」のようだが、正月にたいへん相応しい上品な味である。ウェブで検索したところ、確かにいい値段を取ってやがる。
一升だと一万円を超えている。
これで美味しくないとさすがに怒るわな(笑)
この手の高級日本酒は好きである。ぶっきらぼうな純米酒の味なども好ましいが、吟醸酒の香り豊かな味わいもまた良い。
だいたい、私は食い物でも飲み物でも高いものは味わっておきたい方である。この根っからの田舎ものめ。
私がこれまでに口にした、いわゆる高級な日本酒で印象に残っているのは福井県の「黒龍」、その中でも最上位とされる「二左右衛門」、「石田屋」あたりだろうか。
確かに美味いが、懐具合との折り合いは甚だよろしくない。
しかし、どんなものであれ自分にとっての「リファレンス」を持つのは大事なことではないかと思っている。無論、値段が張るからといって必ずしもリファレンスとなるわけではないが、世の中には金をかけないと良くならないものは数多い。
美味しいお酒をいただいたので、こちらもさる御方よりお歳暮にいただいた日本酒も封を切ってみる。
「日本の翼」という、こちらも純米大吟醸。
私は日本酒なら基本的に純米、純米吟醸、純米大吟醸が好き。
ウェブの検索結果によると、「日本の翼(WING OF JAPAN)」というのは福井県の酒で、「日本政府専用機の初めての正式機内酒として採用」されたとのこと。
こなたもたいへん上品な味で、吟醸香の香り豊か。さながら米のワインとでもいったところか。

こんな美味しいお酒をいただいて、どうもありがとうございます。
美味しいお酒の相方となるべきつまみの類は年越しからのレギュラーとなった品々。
我が家で用意したのはロースハム、鴨のスモークやイクラなど年越しからお馴染みのオードブル、それにエスカルゴ等々。
ロースハムは以前にも記したとおり、「マイスタームラカミ」製でとても美味しいものなのだが、驚いたことにこれを何よりお気に召したのが彼のお嬢さん。まだ2歳にもならぬというのに、舌が肥えておられる。先行きが楽しみなことこの上ない。
味覚と同時に親のまめさも伝承されると尚よろしい。

つまみの類でお腹がいっぱいになりつつあったが、まだしゃぶしゃぶが控えている。
折角の食材が余るのももったいないと思いをめぐらし、さらにゲストを呼んでみる。年越しにいらしたお二人をお招きし、しゃぶしゃぶする。
私はあまりしゃぶしゃぶという食べ物に馴染みがない方だ。ポン酢もそれほど得意ではないし、ごまだれとなると苦手ですらある。
だが、この日のしゃぶしゃぶはたいへん美味しい。
食材がよいのが一番大きい理由であろうが、酸味が控えめであっさりしたポン酢のつけだれが良い。既製品のポン酢はだいたいが酸味が強く、下手をすれば甘みも鬱陶しかったりする。
さっぱりめの既製品に醤油などを調合して好みの味にして食べるのが何よりである。柚の香が少々邪魔な程度で、あっさりとしたつけだれで、食材そのものの味を楽しめる。
改めてこう思う。
「肉の味は値段次第」
正月だからこそ可能となるこんな贅沢に相応しいお供は、良質の赤ワインであり、そしてモニタには『ウルトラセブン』(笑)
こういうのを大人の贅沢というのはきっと間違いであろう。
だが、30年近いつきあいのある同級生や生まれて2年に満たないそのお子さんを交えて、40年前に作られた空想科学ドラマを見ながら美味しいものを飲んで食べる2008年の正月は、内包された時間の奥行きが感じられてまた格別である。
そして私に内包された松阪牛もまた格別なのであった。

次の正月も美味しいものを食べられるように頑張ろう。

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