1999年7月12日(月曜日)

第八回「表紙」



 タイトルが決まったところで、HPの顔とも言うべき表紙について考えてみる。「ウェルカムページ」とやらは誰もが力を入れて作るページであろう。

 力が入りすぎて、冗談じゃないほどに重たい画像を張り付けているケースが多いが、私はネットサーフィン(笑)をしていてそんなビッグウェンズディみたいな大波が来たら、とっととよそに行ってしまう方だ。重たい表紙を掲げる人間のセンスで作られたHPなど、どうせろくな物ではない、という気がする。まぁ単に電子の海の右左が分からず、「なっちゃった」ページもあるかもしれないので一概に断ずることは出来ないであろうが。いずれにしろ確信して重たい表紙を掲げるというのは、客のことを考えてないに等しいと思うのだが如何なものか。
 お前のはどうだって? どうなんでしょう。28.8Kくらいのモデムではちょっと重いかもしれませんが、許される範囲じゃないでしょうか。それに一応私も娑婆では絵を商売にしているものですから、許されたい。いや、いけないな、この態度は。早速画像を小さくせねば。
 誰もが同じ条件で見られるわけではないあたりがインターネットの面白さでもあるが、このあたりも結局は娑婆と似たようなものか。人の振り見て我が振り直せ、とは正に金言。他人のページを作り手の視点で見ると、今までとはまた違った見え方もするであろうよ。
 表紙は目立つページなだけに、作り手の態度が反映しやすいので、お客のことも考えてなるべく軽めに作るのがよかろう。当てもなく飲み屋を探した経験がおありの方ならよく分かるであろうが、重厚な木製ドアで中の見えない店より、のれんと赤提灯の店の方が入りやすかろう?
 現状の通信速度では、およそ大量な画像を読み込むには時間がかかる。企業のページなどで、娑婆の印刷物と同じ態度で作られた、華やかでウルトラヘビーなページを多々見かけるが、その時点で一気に印象が悪くなることは考えないのであろうか。寒い。
 もしかして会社の資本金とデータの重さには何か相関関係が見られるのではなかろうか。あるいは個人のページなら、その本人の思い上がりとデータの重さ、とか。
 インターネットフィールドワーカーの登場を期待する。

 とにかく快適に見られるHPの在り方を考えて作っても、罰は当たらない気がする。何でもかんでも「見てよ、見てみて!見てちょうだい!!」という態度ではなく「見てもらおう」「見ていただく」という謙虚な気持ちを忘れないようにしましょう。お前が言うな? うん。
 実際のケースで考えてみる。例えばだ。転送の問題を考えれば軽いテキストは先に読み込まれ、画像はしばらくの待ち時間の後に現れてくるわけだが、ページの最初に大きな画像があって、その下の方にテキストがある場合、そのページをブラウズしてもらうとき、画像の読み込み中の時間をただ待たせてしまうことになる。そこで、読み込み中の時間、相手を退屈させないために、最初の部分にテキストを入れておけば待ち時間を無駄にしなくて良い、と考えるわけだ。ちょっとした気配りが円滑な関係を結ぶ、と鈴木健二先生も言っているに違いない。
 それと表紙のメニューなどにボタンや画像などを沢山使うケースがよくあるが、極力やめた方がよいかもしれない。よく見栄えの良いHPを作るためのTIPSなどで半立体のボタンだのが紹介されているが、如何なものかと思われる。いくら小さな画像と言っても、種類があると読み込むのに時間がかかって仕方がない。私などはそんなものに出くわすとすぐに「読み込み停止」をクリッククリック。
 とは言え、全く無いと少々寂しい気がされる向きもあろうし、実際私も小さな画像をアクセントに使ったりしている。一つの画像を使い回す分にはさして負担にならないので、アクセント程度に使うのが宜しかろう。

 それとバナーというのか。あれも迷惑な代物かと思われる。
 リンクを張るのにこのバナーを使ってくれ、などというのも多いが、一つや二つならともかくリンクのページなどにこの小うるさいバナーが隊列をなして並んでいたりすると、私などは即座に「読み込み停止」。そんなもので重たくするような考えをする人間とは趣味が合わないので、とっとと出ていく方だ。
 日本の風景を台無しにしている下司で乱雑な看板地獄をネットにまで氾濫させるのはくい止めたいものである。バナー反対。
 インターネットを利用している人がすべてISDNということもあるまいし、現在の転送速度などを考えればまだまだ文字の情報がメインであると考えられる。むりやりに画像を多くして重たくするのは、あまりに現実的ではなかろう。娑婆の印刷物と同じ考え方しかできないウェブデザイナー(笑)は頭が悪すぎる。
 状況に応じた処し方が出来ない頭の固さは致命的。
 大体ビジュアルがなければ面白いことが出来ない、と思われている節も多いが、まだまだ文字という手段は開拓されていないし、いくらでも面白いことは出来るかと思われる。
 私自身も新しい企画を考えていきたいと思う。これからHPを立ち上げるキミも、人真似でない面白い企画を追々考えていってもらいたい。最初は真似でもいいけどね。

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