2007年8月6日(月曜日)

何でベンツ?



昨日流れていたニュースで気になった方も多いと思うのですが、女性が車に監禁されて50万円奪われたという事件で、やたらと「ベンツ」という単語が連発されていましたね。
あれは何でしょう?

事件の概要は、こんな感じ。
5日午前7時半頃、東京都品川区小山のマンション駐車場で、このマンションに住む女性会社員(24)が出勤のため自分のベンツに乗り込もうとしたところ、タオルで覆面をした男にいきなり殴られ、顔と手足を粘着テープで縛られ、後部座席に監禁された。
男はベンツを運転、女性のクレジットカードを奪い、暗証番号を聞き出して、複数のキャッシュディスペンサーから現金約50万円を引き出して奪った。
女性は隙を見て逃げ出したが、男はそのままベンツを運転し、離れた場所に乗り捨てて逃走した。

この概要はウェブにあったいくつかのニュース記事を元にまとめてみたのですが、私がことさらに「ベンツ」を強調せんがためにベンツという単語を使っているわけではなく、各報道でも実際にベンツが連発されている。
気になる点は他にもあって、「品川区の小山のマンションに住んでベンツに乗る24歳の女性会社員」は一体どんな仕事をして収入を得ているのだろうか、と下世話な想像も起動するのですがそれは措くとして。
参照した「産経新聞」は本文中に「ベンツ」1回、「読売新聞」は見出しと本文で計3回。「時事通信」は一回も使っていませんでした。
私が見たテレビではとにかくTBS系のニュースがやたらと「ベンツ」を連発していました。
「女性がベンツに乗り込もうとしたところ」とか「男はベンツを運転」「そのままベンツで逃走」「乗り捨てたベンツが発見され」といった調子。
あまりに不自然ですよね。
これまでに車が利用された事件で、「被害者はトヨタに押し込まれ」とか「犯人はニッサンを運転して逃走」「ホンダを乗り捨てて逃走」とか、聞いたことないですよね。
もちろ捜査のための情報を得るために、使用された車の詳細な情報が発表されるようなことはありましたが、通常のニュース報道でこれほど特定のメーカー名が連呼された記憶は私にはありません。
何か事件報道のルールでも変わったのでしょうか。
多分そんなわけありませんよね、ベンツという単語を使用していない報道もあるわけですし。

犯罪に絡んでこれだけ「ベンツ」を連発するということは、決してベンツの宣伝目的とは思えませんよね。
私には何だか「ベンツに乗っていると犯罪者に狙われやすい」というメッセージが付帯しているように思えてきます。
ベンツにネガティブな印象を与えようとする、不自然な圧力が働いているんでしょうかね。
私は別にベンツユーザーでもありませんし(ベンツを買うような経済事情でもないし、だいたい車を持っていない)、ベンツのファンというわけでもありませんが、あまりの扱われように気の毒になりました、ベンツが。
ちなみに、このテキストではベンツという単語は25回使用しました。

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