1998年1月20日(火曜日)

麗しのクララ



 今年に入ってから取り立てて面白いこともなかったが、先日1/18日曜日にパーブル関係のイベントとやらで大変疲れる思いをしてきた。だいたいが3時からのイベント始まりに何故に朝の11時に入らにゃならんのか。脚本の村井氏と暇を持て余すこと2時間、楽屋が一緒になった声優の堀さんと悪態をつき、やっとの事でリハーサルが始まる。リハが明けてまたまた1時間ほどお弁当とビールで時間をつぶし、本番開始。公開もしていないアニメのイベント、それも暴利ともいうべき3,200円の木戸賃にもかかわらず、それなりの数の客が入ったのはさすがに声優さんのおかげ。パーブルの予告編に始まり、チャムの恥ずかしい衣装を着た牛川さんの進行で岩男潤子さん、篠原恵美さん、堀秀行さんらの登場で会場も盛り上がる。本編から抜粋した「ダブルバインド」の上映に引き続き、岩男さんたちによる生のアフレコ出会場大喜びの様子。この時点で3,200円の内1, 000円分楽しんだかと思われる。続いて篠原さんの歌。本編からのダイジェスト12分バージョンの上映。この編集のために先週の水曜日に八丁堀くんだりまでわざわざ出向いたのだ。村井さんが見て感心してくれたので一安心。さすが俺。でももう飽きてきたなぁ「パーフェクトブルー」にも。見る度にパカだのガタだの見つけてちゃ精神衛生上もよろしくないし、なるべく見たくないなぁ。来月はベルリン映画祭に行く予定なのでそこでドイツ人と一緒に見て最後にしようかな。ドイツ語でこき下ろされてもわかんないしな。
 本編81分の内の約8分の1の編集版ということは、劇場の前売りが確か1,500円だからこれだけで190円くらいの価値か。このビデオ上映の後に私と原作・竹内氏、村井氏ステージへ。岩男さん、篠原さん、堀さん、そして松本梨香さんが加わり制作秘話やら苦労談の楽しいトークと台本には書いてある。進行は無し。ッてちょっとちょっと素人だぞこっちは。仕方がないので「パーブル戦記」で書こうと思っていたアフレコのネタでお茶を濁す。イベントに行かなかった人のためにその内容を紹介はしない。そのうち「パーブル戦記」で記そう。この出演者7人全員が参加してのトークのコーナーで500円くらいの価値か。ここまでで色々入れても2、300円くらいだろう。遠いな、3,200円。
 話が盛り上がったんだが何だか分からないところで、M-VOICEのビデオクリップ上映。これは「みなさんに見ていただく」というよりただの宣伝としか思えないのでプラスマイナスゼロ。
 続いて質問コーナー。真面目そうでなおかつ熱心なお客さんのようだったのでこちらも一応真面目に答えてみたが、どうも私がしゃべるとウソ臭く聞こえるような気がして申し訳ない。クスクス。更に出演者全員のサインの入ったプレス用パンフレットを7人の方にプレゼント。緊張した客が出てくるときに小銭をばらまき、ステージから下りるときには階段から転げる、という教科書のコントのような真似をしてくれて笑わせる。彼のナチュラルコントで50円。彼のパフォーマンスは楽屋でも大受けしていた。ありがとう。
 そして最後に岩男潤子さんの歌2曲。これで客も満足したかもしれないが、やはり暴利としか思えないわな、3,200円。
 この後夜の部が7時から始まるのだがそれまでの間に雑誌「FMステーション」の取材で、竹内・村井両氏と作品についてロビーで鼎談。そんな最中も私が気になっていたのはロビーに座っていた大変可愛らしい一人の女性。イベント後の酒の席でその話題を振ったら、さすがに村井氏も気づいていたという。素人にしてはなぁ、などといってたら何とかつてのアイドル・島田奈美ちゃんだというではないか。現在はフリーのライターで「FMステーション」の取材できていた筈だ、と呑気に語るMr.REX。馬鹿者!何故に紹介せんのだ!何で俺たちの取材をさせんであるかぁッ!!と語気を荒げて大人げも無くわめきMr.REXに詰め寄る私と村井氏。決して酒のせいではなかったな、あれは。クソッ、気の利かない男だよホントに、ってそんなことで怒られて彼も気の毒だったろうに。それにしてもお話ししたかったな、島田奈美ちゃん。ちゃん、と呼ぶには失礼な感じの大変良い感じの女性になっておられたようでしたが。
 裏方の村井さんと私にとってはどう楽しんで良いものやら分からんうえに慣れないこのイベントではあったが、もう一つ嬉しいことがあった。
 クララに会えた。クララとお話した。クララが笑った。クララが立った!
 何のことかといえば、吉田理保子さんにお会いした上に長々と色々お話しさせていただいたのだ。吉田理保子さんといえば「ハイジ」のクララ役を始め、数多くのアニメでヒロインを演じていた声優さん。現在は声優のお仕事からは引退して某事務所の「取締役営業本部長」というクララには不似合いな随分と堅い肩書きになっておられるとのこと。楽屋で最初見かけたときに存在感のある人だなと思っていたのだが、名刺を渡されて吉田理保子さんと知ったときには正直私も村井さんも驚いた。「エエ!?吉田理保子さんッて、いや、あの、見てましたよ子供の頃から」と正直に反応したらさすがに吉田さんに「失礼ねぇ」とやんわり怒られた。34歳の私が子供の頃から活躍されていたということはそれなりのお年なんでしょうね。何でもデビューは「ワンサくん」というくらいのベテラン、他の声優さんに対する態度にも大御所の風格が感じられ、すっかり恐れ入ってしまいました。とにかくクララの素顔は大変魅力的でした。
 夜の部のイベントも無事に終え、解放されたのが9時を回っていたろうか。昼の11時に入ってから約10時間、イベントとはかくも疲れるかと実感して酒をあおる私と村井さんであった。でもいいや、クララに会えたから。

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