1997年12月16日(火曜日)

怒濤のインタビュー



 声が枯れている。こともあろうに昨日インタビューアンド打ち合わせ5連投という暴挙に合いこの始末。新橋はレックスの事務所で、パーフェクトブルー公式ガイドブックとやらのためにインタビュー、続いては雑誌「ミスター・ハイファッション」。ハイファッション? ハイファッション!!? ハイファッションということは日本語に訳すと「大変おしゃれ」ということではないのか? ということは私なんかにはもっとも縁遠い世界ではないのか? インタビューのみで写真は無しだから良かったものの、顔なんか乗せられた日には末代までの恥だ。だってハイファッションだし。
 さらに続くは本の雑誌「ダ・ヴィンチ」。驚いたことにインタビューアーは顔見知りの人間で、おまけに同席していた編集者は、私の高校の同級生と現在仕事をしているという。狭い世界であることよ。
 さらに4連投目のインタビューは、なんと相手は青い目のイタリア人。イタリアの「ヤマト」という日本のアニメを扱っている会社だそうで、流暢な日本語を話す方だ。パーフェクトブルーをイタリアでも売るとか。青い目のイタリア人にこの作品はどう映るのでしょうか? より青く見えるのか、やっぱり。「いつもよりよけいに青くしております。」とか。
 作品内容から日本のアニメの現状、現代日本人若者気質、私の昔の漫画に関する話まで多岐にわたるインタビューで、よくまあ細かいことまで知っているイタリア人で、飽きずに話ができたことだ。とはいえ、午後の1時から始めたインタビューもこの時点で既に6時間ほどたっており、似たような内容を繰り返ししゃべり続けた私の喉はへたり始める。ラジオじゃないっての。
 どのインタビューアーも作品に対して好意的かつ、私にはとっては正当な見方をしてくれていたようで、大変喜ばしいことでした。もっとも作品を評価してないところはインタビューにも来てくれないと思うがな。いやだよな苦情を言いに来るインタビューとか。
「作品拝見しました。見るべき部分が一つもないものに仕上がってましたが、こんなものを作ってどうするつもりなのか、その辺のところからお聞かせください。」
「いや、始めたときは面白くなると思ったんですけど……」
「いかにも監督の力不足という感じですよね?」
「はい……仰るとおりで、やっぱり初めてでしたんで……。」
 インタビューを受けながら頭の片隅では、『こんなことになったらいやだなぁ…』などと考えていたのであった。

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