2008年1月6日(日曜日)

年末年始・その5



しつこいようだが、挨拶しちゃうぞ。
あけましておめでとうございます。

年明け元旦と2日は自宅でゆっくりと寝正月を決め込む。
いくらでも寝ていられそうだ。
おそらくは我が内臓たちが待遇改善を求めた結果による長時間睡眠なのだろう。
寝ている間はさすがに酒は飲まない。
よく眠るが良い、内臓たちよ。束の間の戦士の休息だ。
起きたら働け。

正月の食べ物といえば雑煮である。
元旦は、お昼に起き出して、まずは風呂に入ってさっぱりしてから早速お酒をいただき雑煮を食べる。
出汁の香りが食欲を刺激してくれる。
まったく日本人で良かった。
ああ、謹賀新年。

札幌にいる両親に電話をして年賀の挨拶。
今年もよろしくお願いします。
両親ともに元気そうで何より。
北海道の方は大雪に見舞われた年末と聞いたが、札幌の方はそうでもないという。
札幌に帰ったのは、去年の春先だったろうか。
今年はいつ帰れるだろう。

遅まきながら年賀状をプリントアウトする。
プリンタが繋がっているのは家内のマシンなので、使い勝手がよく分からないが何とか思うように年賀状を吐き出してもらう。
うん、なかなか悪くない。
年賀画像を作成したのは、12月28日の忘年会に出かける前の2〜3時間のことである。まさに泥縄。イメージ自体は前日に考えておいた。
今年はネズミ年ということで、広く言えば齧歯類の年。齧歯類といえば、いまは亡きとはいえ、我が家ではコタンである。
コタン。世界一可愛くもやんちゃなプレーリードッグであった。
コタンを偲んで年賀状の絵柄としてそのシルエットにお出まし願った次第である。正に盆と正月が一緒に来たようだとはこのことか。
なぜシルエットかというと、近頃我が家でだけ流行となっているウルトラシリーズのオープニングにちなんでいる。
イメージのレシピとしては「コタン+ウルトラ」という、私には近しいものを二つ用意してみたものの、これだけでは何とも味気ない。
少ないイメージはそれだけ出来上がりも貧相でもあり、イメージそのものが露骨となってしまって味わいに欠ける。イメージは相乗効果によって別のイメージを生むものだ。
さて。
ああでもない、こうでもないと考えをめぐらしながら、何かヒントでもないかと辞書ソフトに打ち込んでみる。
「ねずみ」
前方一致で検索した結果は意外にも随分と数が出てきた。
【鼠穴】【鼠入らず】【鼠色】……等々ネズミにまつわる言葉、その数四十数種。
ふむ。これは使えるかもしれない。
さらに後方一致で検索をかけると六十数種が出てくる。
「そんだけ数があればテクスチャに使えるだろう」
ということで、先のレシピにもう一つイメージを加えてこうなった。
「コタン+ウルトラ+鼠づくし」
後はシルエットを描きさえすれば素材は揃う。
コタンの画像を参考に、官製ハガキのフォーマットに収まりがいいようにポーズを決めて、アウトラインをなぞって清書するだけで素材は完成。
「フォトショップ」上で、スキャン画像をクリーンアップしてこれをマスクにして配色し、基本的な構図は完成。
次いで文字を並べる。
広辞苑のソフトから拾ってきた「鼠づくし」から、「鼠落とし」や「鼠殺し」などの、ネズミにとっては甚だ不穏な言葉を削除してテクスチャとして敷き詰める。
前方一致で検索されたのは以下の言葉。
鼠穴鼠入らず鼠色鼠生鼠返し鼠壁鼠紙鼠木戸鼠食い鼠倉鼠毛鼠講鼠鯒鼠ごっこ鼠米鼠小紋鼠衣鼠根性鼠刺鼠鮫鼠算鼠銑鼠茸鼠茶鼠突き鼠戸鼠戸銭鼠鳴き鼠の尾鼠蚤鼠の嫁入り鼠歯錐鼠走鼠花火鼠半切鼠半紙鼠鱶鼠舞鼠黐
そして後方一致がこれら。
藍鼠赤鼠小豆鼠甘口鼠荒鼠家鼠内鼠萱鼠川鼠絹毛鼠木鼠曲鼠銀鼠熊鼠栗鼠黒鼠毛長鼠子鼠小鼠濃鼠独楽鼠米喰い鼠子守鼠七郎鼠地鼠麝香鼠白鼠砂鼠大黒鼠田鼠旅鼠月の鼠天竺鼠尖鼠棘鼠跳鼠溝鼠濡れ鼠野鼠野良鼠畑鼠二十日鼠鳩羽鼠針鼠火鼠姫鼠昼鼠袋鼠袋の鼠葡萄鼠舞鼠谷地鼠鎧鼠利休鼠
漢字を敷き詰めると「痒い」感じがする。
これだけ揃えば十分にテクスチャとして成立するであろう。

配色のイメージはすでに決まっている。これには元ネタがある。
「アニ*クリ15」の「オハヨウ」、これのために作った「貼り込み用素材」というものがある。
「オハヨウ」に登場する部屋は元々が『パーフェクトブルー』の「未麻の部屋」がモデルになっているのだが、この室内には多数のポスターやチラシ、カレンダーなどの絵が貼られている。
近頃は権利関係も細かに整理されてきて、こうしたところに「有り物」をうっかり貼るわけにも行かないし、まして「オハヨウ」はNHKであるからして、商業宣伝的なものも不可である。
だからといって、貼り込み用の絵をすべて新作するのはあまりに労力がかかる。
ということで、家内の絵を借りることにした。
家内はフリーのグラフィックデザイナーであり、イラストレーションも仕事のうちである。時折は「パレッツ」というアーティスト集団の一員として、そのグループ展にも出品している。
それらの絵を借りることにした。
そしてそれらの絵を、「オハヨウ」の画面に馴染むように私がテクスチャなどを重ねて加工した。勝手に加工するのは気が引けたが、元のデータは「イラストレーター」で作成されており、テクスチャなどのないフラットな画面なので、そのままアニメーションの背景に貼りこむと、色面がフラットすぎて目立つのである。
借りたデータは十数点。
その中に、家内が亡きコタンを偲んで作った6枚シリーズがある。
とても素敵な組イラストだ。
これらを「オハヨウ」のために私が「フォトショップ」で加工したのが以下のものたちである。
可愛いであろう。

CotanRemixes.jpg

あくまで元のイラストを私がトリミング、テクスチャ等の加工を施したいわばリミックスである。私にはこういう絵は決して描けないしセンスもない。オリジナルはこれらのイラストに短い文章を付されており、とてもチャーミングな仕上がりになっている。

話が回り道したが、この中の3番目、上段右端の配色がとても気に入っていたので、年賀画像はこれに準ずることにした。
この配色イメージを目指して彩色し、さらに上から和紙やら錆やらのテクスチャをレイヤーとして重ねる。
かくして出来上がったのがこの画像。

08cardvisual.jpg

家内曰く、「耳なし芳一みたい」
その通り。
この画像を使って、文字は家内に入れてもらい、2008年度の今家正式の年賀状が完成。プライベート用と仕事使い用の2種類をプリントアウトする。
当ウェブサイトを始め、年賀メールに使う画像は自分で文字を入れて完成。

ウィスキーの水割りを飲みながら、あちらこちらにこの画像を添付して年賀メールを送信する。
ご無沙汰してばかりの皆様、今年もよろしくお願いします。
2008年の初日にしたことといえば、年賀状の用意と年賀メールの送信くらいで、あとはほろ酔い加減で本を読みながらマッサージ機に座ったくらいだ。
ちなみにこれがうちの「ガンダム・コックピット」ことマッサージ機である。

massager.jpg

我が家に登場したのは、『パプリカ』制作が終わった一昨年の夏頃だったろうか。
これは2代目にあたるので「ゼータガンダム」ということになるのだろうが、ファーストガンダム以外は馴染みがないので単なる「ガンダム」である。
このシートに収まっての読書は実に快適。

massagepanel.jpg

プリセットされたコースも悪くないが、パネルを開くとより細かな対応が出来るようにボタンが並んでいる。ちょっとしたコックピットの気分である。
腕のマッサージはかなり改良の余地があると思われるが、腰や背中、肩の揉み具合はけっこうなもので、空気圧で圧迫される足のマッサージもなかなか宜しい。
風呂上りのマッサージはちょっとした温泉気分である。
正月は酒と美味しいものとマッサージ三昧。
うむ、極楽じゃ。

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