2008年1月22日(火曜日)

紅白湯合戦



またもや神戸に出張である。
アートカレッジ神戸の授業のためだが、今回はスケジュールの調整がつかず、いつもとは異なる曜日での授業。
今年度最後の授業で、2年生とはこれでお別れということになる。
社会での活躍を期待する。

しかし、アートカレッジ神戸での仕事も随分と長いことになっている。
レギュラーで仕事をするようになってから、かれこれ数年。
何度、神戸を訪れたことだろう。
ありがたくも来年度も講師の依頼を賜ったので、きっと今年も何度か神戸で夜を過ごすことになるのだろう。
このテキストも、ホテルの一室でキーボードを叩いて記している。
ホテルで過ごす、こういう時間は贅沢この上ない。
コンビニで買ってきたアルコールとつまみをお供にテキストを書いたり、読書をしたり。
そして、そんなプチ優雅のもう一つが「入浴剤」である。
知り合いから、宿泊先の楽しみとして入浴剤の存在を聞いて以来、私も真似して、ホテルでは日替わりであれこれ入浴剤を楽しむことにしている。
これは、かなり良い楽しみである。何か楽しい。
さてそこで今回、アルコールとつまみを確保するべく立ち寄ったコンビニで私の目を捉えた入浴剤はこれであった。
「赤ワイン風呂」¥180
たった一回の入浴に¥180というのはちょっと高いんじゃないか、と思いつつも、そこはそれささやかな贅沢というものである。
何しろその時の気分では、「ワインレッドのとろみ湯」というコピーに惹かれたのだ。
ただし「のんじゃダメ!」。
言われなくても飲まないっちゅうの。
バスタブにお湯を張り、入浴剤をサラサラと振り入れると、確かに赤ワインの香りが広がる。
「おおおおお!!」
と、思ったのは香りのせいではない。
そこに現れ出でた見かけにたじろいだのである。
「……血の池地獄」
折角の入浴の楽しみだったのに、じゃっかん気が滅入ってきた。
目の前に存在を主張する真っ赤な湯。
名づけ直してやろうじゃないか。
「リストカット風呂」
うう、ますます気が滅入る。
いかん。これでは営業妨害だ。
すいません「赤ワイン風呂」さん。
しかし頭に浮かぶのはこんなこと。
「□△□□が宣伝したら話題になるだろうにな」
そういうことを連想するなっちゅうの。
いやいや、無論そんなことで¥180を配水管に流す私ではない。
勇を鼓してザンブと湯船に浸かれば、あら不思議。
確かにわずかにとろみがある。香りは少々甘みが余計だがワインである。
「うむ。これもまたよし」
ということで、プシュッと開けた缶チューハイを飲みながら読書をしつつゆっくりと風呂に浸かってささやかな贅沢な時間を過ごしたのであった。
ただし、これだけは言える。
「私は赤ワイン風呂が似合うオッサンではない」
川島なお美じゃないんだから。

そして、その翌日。つまり今日ということなのだが、「血の池地獄」を連想するのも避けたいし、連日同じ入浴剤では芸がない、ということで昨日のイメージから一転、これである。
「ミルク風呂」
年甲斐もなく私はバカなんじゃないか。
「牛乳&スキムミルク配合 −ミルキーの香り−」
44歳にもなるこんなオッサンが「ミルキーの香り」かよ(笑)
「ミルキー」といえば「ママの味」だぞ。かなり恥ずかしいじゃないか。
パッケージの封を切るやいなや鼻腔に忍び込んでくる甘い香り。
「うわ!!ミルキーみたい」
だからそう書いてあるんだっちゅうの。
お湯に振り入れるとさらに広がる甘い香りとお湯に広がる乳白色。
心の中に「失敗?」という疑念が速攻で湧き上がるが、そんなことくらいでやはり¥180を配水管に消し去るような私ではないので、ミルキーの香りに包まれながらザンブとお湯に浸かる。
うむ。これはこれで一回くらいは悪くない。ただ、44歳のオッサンには不似合いなだけである。
「ブログのネタにでもなるだろう」
ということで、こうしてキーボードを叩いた次第である。
ちなみに、乳白色に染まる「ミルク風呂」のお供にしたのは缶チューハイではなく「赤ワイン」である。
かなり、めでたい色である。

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