2008年3月23日(日曜日)

多忙な道のり・その8



さすがにヘビーな仕事と慌ただしい展覧会の準備の連続で疲れが出たのであろう。
発熱以外には特にひどい自覚症状があるわけでもないので、最初のうちはベッドに入り、持ち帰ったVAIOで映画(なぜか『ソイレントグリーン』(笑))を見たりもしていたのだが、目を開けているのも億劫になるほど熱が上がってくる。熱は38度をはるかに超える。
iPodで町山智浩さんのポッドキャストを聞いて、現状から気をそらすことにつとめる。
展覧会の準備など、あれこれ考え始めたら治るものも治らなくなりそうだ。
こういうときこそ現実逃避せねばなるまい。
全力で休息に努める。

夢うつつの状態が続く。
熱以外に特につらい自覚症状はないが、長時間寝ているせいで腰が痛くなってくる。ベッドから起き上がるのさえしんどく、腰を気にして恐る恐る起き上がる様はさぞや老人くさいであろう。
痛くなった腰はマッサージ機に揉んでもらうが、飛躍的な改善には至らない。
熱も全然下がる気配がない。
仕方ないので病院に行く。
検査してもらったところ、幸いなことにインフルエンザではないとのことで一安心。
しかし翌16日には「新文芸坐アニメスペシャル・今 敏ナイト」でのトークイベントが控えている。

以下、2008年2月17日(日曜日)のブログと内容が重複するが改めて記す(というか、すでにブログで書いたことをすっかり忘れて、同じようなことを書いてしまった)。
抗生物質とブドウ糖を点滴してもらい、処方してもらった薬を飲むが一向によくなる気配がない。どころか熱はさらに上がり、トークイベント当日の朝方には39度5分にまで達する。
以前、NHKの一時間番組に出演したときは、38度を超える熱があった。後にインフルエンザだったと分かった。
収録中、ろくに頭も回らず、喉の調子もひどくてたいへんしんどい思いをした。
「今日のトークイベントもあれと同じようなことになるのか……」
体調不良でろくに話も出来ないのでは、せっかく上映に集まってくれるお客さんに申し訳ないし、何より私が面白くない。
「よし、飲んでみよう」
病院の薬には解熱鎮痛剤も入っていたが、それ以外の薬を飲んでみることにした。
「やはりバファリン」
これが効いたらしい。
しばらく後、37度くらいまで熱が下がる。おお、だいぶ身体が楽になる。
昼前に起き出して、マッサージ機で腰の痛みをほぐし、関係者にメールを入れ、さらに調子に乗ってイラストデータのリファイン作業も開始。
食欲も回復してくる。そして食ったら寝る。
イラストの修復も大事だが、身体の修復はもっと大事だ。
かくして、なんとか人前に出られるくらいまで身体を修繕して池袋・新文芸座へ赴く。
オールナイト上映にもかかわらず、多くのお客さんにおいでいただき、監督として嬉しい限り。また以前に比べると、女性のお客さんやカップルが多くなり、年齢の高い方や外国の方も混じるようになったことも喜ばしい。
別に、「男ばっかり」が悪いわけではないが(笑)、男性に向けて映画を作っているわけではないので、一般的な男女比に近くなる方が望ましいとは思う。
この日ご来場くださった皆さま、司会進行をつとめていただいた小黒さん、ゲストを快く引き受けてくれた鈴木さん、どうもありがとうございました。

2月17日。画廊への搬入まであと12日しかない。
いつまでも直しの作業ばかりしているわけにも行かないが、気に入らないものを展示するのはなおのこと気に入らない。
池袋でのトークイベント翌日はひたすらデータのリファイン作業に集中し、週明けの月曜日からプリントアウトも同時進行する。
さらには印刷が上がってきていた案内状の宛名書き。
仕事関係の知り合いに出し始めるときりがない上に、お誘いしてわざわざお越しいただくのも、お誘いを断らせることになっても気が重い。
だから、せいぜい私が個人的に年賀状の交流がある範囲にとどめる。

プリントアウトはまずA4サイズに、イラストデータ4点を縮小して並べ、色の確認のために出力。それで問題がなければ本番サイズで出力する。
問題があった場合はデータの方を調整して再出力。
モニタと出力結果のズレが大きくならない方法が分かり、ズレの程度や傾向も把握できてきたので大きな問題がなく、たいへん効率よく出力を続けられる。
プリントアウトした物は上下、左右それぞれ1ミリずつカットしなくてはならない。
たとえばA3ならその正寸(297×420mm)からカットして295×418にする。額装のために必要な処理である、と世界堂の担当者さんから聞いた。
1ミリずつ四辺をカットするのでは手間がかかるので、あらかじめ画像の位置をセンターからずらしておいて、右端と下端をそれぞれ2ミリカットすればいいようにデータを仕込んでおいた。
2〜3日かけて出力したA3サイズ28枚、A4サイズ4枚すべてを額装サイズにカットして、「世界堂」に持ち込む。
これで残るはA3が2点、A4が1点。
もしそれらが修正・額装が間に合わなくても、展示するには十分な点数が揃っている。一安心だ。
以前に頼んでおいた大判の額装がすでに上がっている。
「おお、いい感じではないか」
いよいよ、展覧会の気分が盛り上がってくる。
しかし、確認するだけでもえらく手間がかかりそうな量だ。この日は一部だけを確認するにとどめる。
すべての額装が終わった段階で、ナンバリングする作業があるので、確認はその時まとめて行うことにする。
「世界堂」を出た足で、「東京リスマチック」によって、最後の大判出力4点をオーダーする。これで大判はすべて目処がついた。
搬入まで後10日。順調順調。

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