2008年11月24日(月曜日)

不意を突かれる



先ほど会社に来る途中、途中下車して吉祥寺ロンロンの本屋に立ち寄った時のこと。iPodでポッドキャストを聞きながら、本を物色していると声をかけられた。
「今 敏さんですか?」
緊張と紅潮をたたえた若い娘さんだ。
「はい、ちょっと待ってね」
言いつつ、iPodを停止し、最近大のお気に入りであるイヤフォンSHURE530(何と誕生日のお祝いにスポンサー有志の方からいただいた!)を耳から外す。
と、もう一人、友達らしきやはり若い娘さんが興奮を抑えた様子で小走りに駆け寄ってくる。
手帳を手にしている様子で意図は了解した。
今 敏監督作を好んでくれている娘さんたちらしい。
真っ黒ないでたちの男に声をかけようかどうしようか迷った末に思い切ったのだという。
「いつから付いてきたの?」
「武蔵境からです」
全然「尾行」に気がつかなかった(笑)
映画祭やイベント先など、今 敏を特定しやすい場所では見知らぬ人からの「要請」にも心構えができているが、出社途中はまったくの「素」である。
ちょっと驚いた。
よかった、変な書籍とか手にしてなくて。
電車の中ではヴォネガットの本を読みながら少々ニヤニヤしていたが、見られてしまったろうか。

「『パーフェクトブルー』を見てから好きになって」
というようなことを仰る。
「そんないかがわしい映画を見たんですか(笑)」
などと言いつつ場所を移動し、書店の他のお客さんに迷惑をかけないよう、店外のスペースでささやかなご要望にお応えする。
壁を机代わりにして、まずパプリカをサラサラ。
「あの、『妄想代理人』も見ました」
ありがとう。
もう一方には千代子をサラサラ。
「私、『千年女優』でちょっと泣いてしまいました」
さぞや千代子も喜んでくれるでしょう。
サインを渡すと素直に喜んでくれるのがうれしい。
「すごい!友達に自慢できる」
いえいえ、どういたしまして。私も友達に自慢しよう。
「今日会社来る途中、若い娘さん二人にサイン求められちゃったよ!わっはっは」
とかね。

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