2010年8月12日(木曜日)

好ましい物たち



少なくとも現在身の回りにどうしてもあって欲しい物。
隣人愛とか才能とか根性とかそういう無形のものではなく(笑)、単に物。
忘れられない物や、今敏の形成に大きく影響したであろう物たちも含めて考えてみよう。

まず、ヒラサワの音楽。
これはないと絶対に困る。
20年ほど前に「世界タービン」「ロケット」に電撃的啓示を受けて以来、私にとって平沢進とその音楽は、想像と創造、気力の源であり続けている。
これほど今敏の形成に影響を与えた物は他にないのではないか。と、自分では思っている。

ヒラサワを少しでも理解しようと読み出したのが、河合隼雄。
私はユング心理学は直接触れたことはないが、河合先生の著作は随分な数を読み広く深く影響を受けた。どういう影響なのかは自分でも定かではないが、ヒラサワという扉から開けた世界に河合先生的な裏打ちを自分なりに育てたからこそ、「パーフェクトブルー」以後の奇妙な物語が産まれたことに間違いない。
文化庁メディア芸術祭の授賞式でお目にかかれたのは光栄の至りであった。
しかし買い揃えた著作の数がかなりの巾をきかせている。すでに血肉化したと信じて処分するのも仕方あるまい。

ルートヒラサワで知り得た宝にはカート・ヴォネガットもあった。邦訳の出ているものはすべて読んだはずだが「スローターハウス5」は小説も映画も手放せない一品である。

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