2002年8月27日(火曜日)

近況



 忙しいのです。私がホームページ更新はおろか掲示板にあまり書き込みをしないのも忙しさ故です。とはいえ、あまりに廃れている当ホームページの現状を憂慮して私の忙しさ自慢をすることにしました。

宣伝女優

 さてもまず忙しいのは9/14の公開が迫った「千年女優」宣伝周りのこと。
「ドリームワークス全世界配給決定」だの「文化庁メディア芸術祭・アニメーション部門大賞受賞(同時受賞・千と千尋の神隠し)だのと景気の良さげな惹句はあれど、世間での作品の認知度は思うように上がってはいません。
寂しいことに取材の数はそれほど多くないのですが、それでも最近は雑誌「SWICH」とか「キネマ旬報」、ウェブサイト「EXCITE JAPAN」などの取材を受けました。すでに読売新聞などでインタビュー記事が掲載されたりしていますので、これから公開、公開期間中に媒体上でお目にかかることもあるかと思います。
これから先の予定ですと、毎日新聞や共同通信の取材や某中華鍋系のテレビ番組や文化放送のラジオ番組出演も予定されています。
 数が多くないとはいえ、取材で質問される内容は大同小異なので答えも自然と口に馴染んだものが多くなってきました。そろそろ嘘でもつこうかな(笑)
 9/3は大阪での試写が予定されていて、私も舞台挨拶をすることになっています。関西在住の方是非いらして下さい。
 9/9にはヤマハホールのイベント付き試写に出演予定。ゲストは……秘密。
翌9/10は新宿ロフトプラスワンのイベント出演。「千年女優」キャラクターデザイン・作画監督の本田“師匠”雄氏、「MEMORIES/彼女の想いで」作画監督などで知られ、「千年」で原画、作画監督も担当してくれた井上俊之氏も一緒に出ます。
 このイベントでは「パーフェクトブルー」や「千年女優」は勿論のこと、私が脚本で参加した「彼女の想いで」や、新作「東京ゴッドファーザーズ」についても多少触れられると思いますので、興味のある方はご参加下さい。多分酒を飲みながらのトークになるはずなので、暴言……あ、いや、失言……あ、いや、多少口も滑らかに色んな話が出てくると思います。

 取材やイベント、これらは実作業を伴わない喋る仕事ですので、数が多くてもそれほど疲れるわけではありませんが、合間合間に実作業が必要な版権仕事も入ってきます。寸断された時間の中でバリバリと実作業できるほど集中力を維持できなくなっているのは、年齢のせいか疲労のせいか。
 9/1から都内のあちこちの駅で掲出予定の交通広告のためのデータ組み替え、劇場売りされるパンフレットの表紙用データ組み替え、販売用Tシャツやテレカのためのデータ組み替え、ムック本「千年女優画報」表紙のためのデータ組み替えなどなど。お分かりのように書き下ろし素材はなしで逃げ切ろうとしています(笑)。
もう時間も予算もないんです。
 これまで描き下ろした版権物は「チラシ・ポスターのメインビジュアル」「プレミアムチケット付属テレホンカード用」「ニュータイプ見開き3回分」「サントラ盤ジャケット」など。どれもなるべく一所懸命に描いているのですが、監督自ら版権イラストを描いているのは珍しい、と後ろ指を指されることも(笑)

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これがサントラジャケットイラスト

 イラスト、取材やイベント出演はまだ良いのですが、困るのは写真撮影です。先日も脚本の村井さんと一緒にパンフレット用の写真撮影もありましたが、写されるのは苦手です。雑誌取材なんかでもけっこう撮影が多くて困ります。とある屋外の撮影で子供用のブランコに乗せられたのはかなり閉口しました。あの写真が採用されないことを願ってます。

千年女優画報など

「千年女優画報」と名付けられた、いわゆる「千年」ムック本のための仕事もまだ終わっていません。このムックのために音楽の平沢さんと対談したり、日本大学心理学教授・横田先生に聞き手をお願いしてインタビューをしてもらいました。これらに伴うテキストチェックも多くなってます。
 対談・インタビューテキストは、私が言うのも何ですが、どちらも非常に興味深い示唆に富んでいますので是非「千年女優画報」をお買いあげ下さい……ってほとんど宣伝になってます(笑)
 日本大学心理学教授・横田正夫先生とは「日本アニメーション学会」のシンポジウムに参加したのが縁でお話しする機会をいただきました。先生はアニメーション作品を心理学的に見る、といった研究をされており、その視点は作家側の立場で見ても非常に興味深く面白い。「パーフェクトブルー」やその前の私の漫画作品も御覧になっているようで、試写で「千年女優」も見てもらいました。先生と個人的にメールをやりとりさせてもらっている中で、私の作品について非常に面白い指摘を多数いただき、私の希望で「画報」の聞き手をお願いした次第です。
 また先生には劇場用パンフレットに寄稿もしていただいております。
「千年女優画報」は場面写真はもちろんのこと、設定資料や原画やレイアウト、アニメ雑誌に描き下ろしたイラストなども収録。また、千代子を演じた3人の声優さんによる鼎談、立花役・飯塚昭三さんのインタビューやスタッフインタビューなどのテキストも満載。大変濃い中身になっております。

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