2008年11月11日(火曜日)

五日目ストックホルム



昨日、現地時間11月10日14時過ぎ、スウェーデン到着。
初めてその地を踏んだストックホルムは雨だった。やれやれ。今回の旅行は珍しく天候に恵まれないらしい。
空港では在スウェーデン日本大使館の方が迎えてくれる。どうもお世話になります。
タクシーで市内のホテルへ移動。道路周辺の景色がなんだか懐かしい。シラカバなど植生が似ているのだろうか、北海道千歳空港から札幌市内に至る高速道路の風景が思い出される。
40分ほどでホテルに到着。成田から東京都内までの距離とはえらい違いだ。

チェックインして一休み。
バスルームを覗いて感激する。
「おお!湯船がある」
聞いたところによると、大使館の方が「喫煙可能」「バスタブがあること」という二つの条件で宿泊するホテルを探してくれたそうで、わざわざ部屋を確認までしておいてくれたそうだ。
お気遣い、ありがとうございます。
おかげさまでヘルシンキのホテルよりも広めで部屋は快適……なのはいいのだが、ベッドサイドのライトが切れていたり、挙句に夜になって風呂に入ろうとしたらバスタブの「栓」がないことが発覚(笑)
スウェーデンの民はおおらかなのであろうか。
バスタブの栓がないことには風呂に入れないので、下手な英語でフロントに電話して栓を持ってきてもらう。
「栓って英語でなんて言うんだ?」
PCに入っている英語の辞書で調べてみる。
「あ、stopperでいいのか(笑)」
知っている単語なのに調べないと分からない、というのは語学力の問題というより単に知能の問題なのだろうか、と情けなくなる。
電話の数分後、ノックがあってドアを開けると金髪女性がにっこりとした笑みを浮かべてチェーンのついた栓を手にしていた。
悪くないレスポンスだ。
しかし、備品としてバスタブの栓が用意されているのだろうか。
多分こういうことだと想像した。
「空いている部屋から持ってきたな(笑)」

17時過ぎ、明日からの講演でスウェーデン語の通訳を担当していただく方と打ち合わせ。
日本に20年も暮らし、日本の伝統的な楽器、尺八の名手でもある大学の先生。ストックホルム大学の日本学科で教えておられるそうだ。
伝える内容が複雑になると通訳には語学力だけでなく、背景となる日本の文化に対する理解が必要とされるが、この先生ならばこちらも楽ができそうだ。
ストックホルムでの仕事は3つ。演劇ドラマ大学の学生相手に講演と懇談が2時間、一般のお客さん相手の講演が90分、最後にストックホルム大学の日本学科、アニメ・漫画学科の学生との懇談会が90分。
今回の「今 敏北欧講演」、この企画の「言いだしっぺ」は在スウェーデン日本大使館だけあって、二日の間で盛りだくさんである。
日本から人を招く文化事業は、一国だけでは効率が悪いため、隣国などの大使館を誘って共同で企画するのだそうだ。
大使館の方から色々漏れ聞くところによると、何をするにも「先立つもの」が少ないそうだ。少ない、というより日本から人を招くなど端から無理な予算しかないらしい。
思わず共感してしまう内情である。

夕食は公使さんと一緒に、スウェーデン料理のレストランでいただく。
ビルから廊下状に突き出した奇妙な設計のレストランで、見晴らしが気持ちよい。
前菜にニジマス、メインに鴨をいただく。
味は……微妙だ(笑)
どんな味?と聞かれても答えようがない。
美味しいの?と聞かれても、ハキハキとは答えられないが、ビールとワイン、何より楽しいおしゃべりでおいしくいただいたことは間違いないだろう、というあたりに収めておこうと思う所存であるということにしておきたい。

旅行五日目の朝は8時に起床。空はどんよりと思い。

ここのホテルもネットの回線が遅い。ワイアレスLANとはいえ、まるでモデム接続みたいな遅さだ。
これではストリーミングで日本のニュースを見られない。すべて静止画になってしまう。ち。
朝食を済ませて、市内を散歩すること一時間ほど。
しばし休憩して、さてこれから仕事。

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