2008年3月25日(火曜日)

多忙な道のり・その10



トップページにも貼り付けたが、いずれそちらは姿を消すことになるだろうから、こちらのブログにも「タケノコのポーズ」を載せておこう。

takenoko.jpg

何とも楽しげな、ナイスな写真である。
なにゆえ「タケノコのポーズ」かというと、これは「ミカンのポーズ」と対になるべきもので、では「ミカンのポーズ」は何かというと、「ミカンの君」だからだ。
さっぱりわからないだろう(笑)
愛媛からわざわざいらした「ミカンの君」のために、イベント参加者にお願いしてみんなで記念写真を撮ったときが「ミカンのポーズ」で、また別の方のために続けて撮ったのが「タケノコのポーズ」。
なぜタケノコだったのか、私にも意味不明だが、「ミカンのポーズ」が「○」をイメージしたポーズだったので、「△」にしてみた次第である。

見れば見るほど味わい深い写真だ(笑)
場の楽しさが表れている。
常連さんの顔も懐かしい。
左隅で小さく△をこしらえている彼がいい味を出しているし、その上の女子二連の三角も美しい。後ろの方で伸び上がるようにポーズを取ってくれている彼も目立っているし、今 敏の隣で幅の狭い△の造形も味わい深い。画面右端で身体はフレームから切れつつも顔だけはしっかり収まっている常連さんの存在感も侮れない。
しかし、こう……見ていると、だんだん怪しげな秘密結社の集会のようにも思えてくる(笑)
ナイスな写真をありがとう、大阪のIさん。

さて「多忙な道のり」の続き。
ここから搬入までの一週間は、時系列で追ってみる。
「日誌」を残しておくとなかなか便利なものだ。

2月23日(土)。
この日「春一番」が吹く。だがその名前ほど清々しいものではなく、各地で強風による被害が出るなど、禍々しい春一番だ。
展示イラスト最後の一点のリアレンジにとりかかる。
『パーフェクトブルー』トレーディングカードシリーズ、裸の未麻のバストショットからリアレンジ。以前一度リアレンジしておいたものをさらにリアレンジすることになる。
以前のものは、やはり「ちゃち」に見える。
まず元データの解像度を上げ、高解像度の線画と差し替える。
この素材にPainterでレタッチする。自宅で少し直して、さらにそのデータを会社に持っていって作業を続ける。レタッチを進めていると、元々の線画が気に入らなくなってきて、大きく修正を加える。絵として不自然にならない程度で、線を削ってなるべく細くし、邪魔なタッチもすべて消し去り、さらにペイント面に描写を加える。
合成前の素材は完成。

この日は兄上の誕生日だった。
不義理な弟で申し訳ない。
武蔵野の片隅からお祝いだけはさせてもらいます。
「誕生日、おめでとうございます」
兄貴ももう50歳か。

2月24日(日)。
発熱から回復以来、体調は完全に戻っているものの疲れも蓄積している。ぐっすりと眠って11時起床。
一食目となるお昼御飯は「ペンネ」を食べる。満腹してマッサージ機にはまって、うたた寝。
マッサージ機は眠りのコクピットである。
昨日完成した素材の合成作業にかかる。
新しく仕入れいたテクスチャ素材「水」のイメージを重ねてみる。
合成にあたっては、閃いたイメージがあったのだが、どうも思ったほど上手く行かない。
未麻(というよりすでに匿名の女性という感じになっている)の体内で、水面が揺らぎ、生まれた気泡が彼女の心のさざめきを象徴し、虚ろな表情と対比をなす……というイメージだったのだが、どうも写真素材の抽出が考えていたほど上手く行かない。
「さて、困ったな」
いつものことである。
別なイメージを探して試行錯誤を繰り返す。
当初のイメージとは多少ずれたものの、それなりに「収まってくる」。
締め切りは翌日。出力サイズもA4なので、「そこそこ」程度で良かろう。「それっぽく」なったところで手を打とう、と思っていたのだが、作業を続けているとやはりただの「絵描き」が言うことを聞いてくれなくなってくる。
「もっとよくなるはずだ」
頑として作業を終わらせようとしない。
しかし、やはり不思議なもので試行錯誤の「格闘」を続けているうちに、確かに先ほどよりもっと気に入ったイメージに収まってくる。
素材の合成の仕方にしてもそうだし、色もそうだ。
基本は「青色」のイメージだったのだが、青といっても幅が大きい。
緑がかった青の方がいいのか、赤味があった方がいいのか、作業中は時折イメージを新たにするために全体に色相をずらしてみたりするのだが、いじっているうちにそこにブレがなくなってくる。
これもまた「収まる」ことの一つである。
結果的に気に入ったイメージに収まり、作業は終了。
ちなみにデータの大きさは、レイヤーを統合する前(つまり作業中)のデータで420MB、統合完成データで52MB。
データサイズとしてはかなり小さい部類であろう。大きいものだと、作業中には1GBくらいになることもある。
完成したイラストは「WAVE」と名付けた。
A4の額にしか空きがなかったので展示にはA4サイズで出力したが、元データは十分以上にA3出力可能なものだったので、少し残念であった。
このイラストは、同じ素材からリアレンジした「Fossil Fishes Remix」の「赤」と「対」にするために「青」を基調としたのだが、片やA3だったのに、A4で出力したために「対」の効果が薄れてしまった。
もう一つ心残りだったのは、作業中「魚の群れ」を合成するというアイディアが浮かんだのだが、適当な画像を発見することができなかった。
そのうちよい素材が見つかったらまたリアレンジしたいものだ。

参考までに、以下の画像が元となったトレーディングカード用イラストから、その発展的バリエーションを系統樹のように並べたものである。

PBseries.jpg

晩御飯は「デリー」の「カシミールカレー」。
市販のカレーの中では群を抜いて美味い。
いや、外食のカレーを含めても、美味しいカレーには出合ったことはあるが、これより「好ましい」カレーに出会ったことはない。
自宅で作るカレーも美味しいものだが、これはまた「自宅カレー」といういわば別なカテゴリー。たとえは悪いが「カップラーメン」と外食の「ラーメン」が別な食べ物として、それぞれに味わえるのにも似ている。
「自宅カレー」は毎度変わる味が予測できないのが妙味である。
昔、一人暮らしの時にたまにカレーを作って食べたが、毎度色々な種類にチャレンジしていたので、定番の味というものはなかった。市販のルーを使うこともあったが、箱に書かれた「作り方」通りに作ったことなど一度もなかったように思う。
それでこそカレー。
私が「デリーのカシミール」に出合って以来、すでに20年は経っていようか。これまでずっと「チキンとの組み合わせ」を好んで食べてきた。
私にとっては「カレー」とは「デリーのカシミール」。「カシミールの王」なのである!(といってもP-modelを知らない人には意味は分からないだろうが)
近年近所のヨーカ堂が「デリーのカシミール」を置いてくれるようになったので、入手も容易になった。
昔の味に比べて、あまり辛くなくなったのは少々寂しい気もするが、その分食べやすくなったとも言える。それでも市販品ではかなり辛い方だろう。
辛いのが好きな人にはおすすめ。

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