お金が入ったと言っちゃあ、欲しいモノを買い、暇が出来たと言っちゃあ遊び呆ける。正しい人間の在り方かと思われる。
確か昔ツービートのネタでアリとキリギリスの話のパロディがあったと思う。
「……夏の間に働きすぎたアリは過労で死んでいました」
あながち冗談でもあるまい。
蓄財を増やし、知識を増やすのもまた楽しいことではあるが、何事も使わないことには勿体ない。来るべき将来に備える心がけは無論大事だが、その準備のための準備が好きな人も多いようだ。遠足そのものよりも遠足の前日が一番楽しい、その気持ちは多少分からないでもないが。
何でもかんでもため込んで準備に余念のない人種というのは、意外といざというときにそれを使う勇気が無かったりするもので、周りから「勿体ない」と言われるケースが多い。
才能や豊かな技術を身につけているにもかかわらず、自分でそれを有効に使えず、周囲の「あいつがちゃんとやったら凄い」という根拠の薄い期待と羨望に本人が満足して、一生ろくな仕事が出来ない奴の一人二人はどこの業界にもいるであろう。
いや、これを読んでいるあなたはきっと違うと思いますよ。ネェ?
そういう人種は得てして実践に必要な忍耐と勇気と集中力が欠如しており、そして人前で恥をかくことに対する畏れに足がすくんで、表舞台に立つ機会を無意識に遠ざけ、結果舞台裏で来る日も来る日も来る日も来る日も不毛な寝言のような批判ばかりし続けるわけである。
いやいや、これを読んでいるあなたはきっと違うと思いますよ。ネェ?
私の知っている範囲では、特に、漫画家の古株のアシスタントや自分の作品作りの夢だけを見ちゃってるアニメ関係者などに散見される人種だ。
いやいやいや、これを読んでいるあなたは…。
まぁそんな「生涯モラトリアム」の連中の話はよいとして。
最近「最速で使い果たした」例を耳にした。
今更「獅子座流星群」の話題でも無かろうが、ある男がさして流星など見る気もないのに、その日ぼんやりと星を眺めていたそうだ。
星には願い事をするという、いにしえからの習わしに従い、彼もまた願い事をしたそうな。
「もっと流れ星が見れますように」
彼のその願いは「ら抜き表現」にも拘わらず聞き入れられ、40分ほどの間に比較的ラッキーとも言うべき「7個」の流れ星を見れたそうだ《ら抜き表現》。
いいのか?それで。
いい。