1999年7月12日(月曜日)

その1「序」



 それにしても私は何故に一銭にもならないホームページ運営に一生懸命になっているのか。自分でも不思議である。
 私は当HP運営のために娑婆での仕事の時間を削りかねない程に時間を使っている。仕事関係の人々の「HP更新の時間があったら、仕事をしろ」という物言わぬ冷たい非難の目を気にしながらの運営は、ただの趣味にしては肥大しすぎている気もする。
 下世話に考えれば、もしHPにかかった時間を仕事に使っていれば、相当な収入になった筈でもある。銀行の残高は私に娑婆の仕事を要求しているというのに。

 何故にそこまで?

 それは私にも分からないし、このテキストの中でそれを探るというのも一興だ。どこまで本気だか。
 ややこしい理由付けはともかく、基本的には私が楽しいと感じてしまう以上それで良いかと思って当HPを続けている。それに何よりお陰で多くの人と知り合う幸運や、いくつかの娑婆の仕事の依頼もHP経由で届けられてもいる。ありがとよ。
 私が楽しめる以上、時間の許す限り今後とも精一杯HP運営を続けて参る所存ですので、読者の皆様からの益々のお引き立て、御指導ご鞭撻の程よろしくお願いいたします。ご静聴ありがとうございました。
 終わってどうする。

 そもそも私が自分のHPを作ろうと思ったのは、激情エロアニメ「パーフェクトブルー」がきっかけであった。何かに付け私の運命に絡みついてくる名前だ。因果の使徒だ。
 アニメーション制作期間中の格闘の日々を、何かの形で残しておきたい、というのがHP開設当初の主眼であった。結果24回の長きに渡る超大作となってしまった「パーフェクトブルー戦記」である。

 元来酒の席のヨタ話として忘却の彼方に消えていくことどもを、電子の形に留め、そして次の機会にその経験と反省を役立てようと思ったわけだ。意外と前向きな態度だ。偉い。
 拙い作品の言い訳をしようと思ったわけではないし、貧乏自慢だけでもなかったのだ。
 この連載もまた一つの「作品」のつもりであったし、「娯楽作品」として書いていたつもりだ。実際楽しんでくれた読者の方もいらっしゃったようで、娯楽作品の面目躍如である。さすが、俺。
 とは言えやはり読者はまず「私」であって、私が面白ければそれで完結した最低限のループなのであるが。

 この連載は「超巨編」にも拘わらず、お付き合いいただいた素人さんには概ね好評をいただき、玄人さんの眉をひそめさせることになったかもしれない。
 知ったことか。
 最低限の良識は越えない節度は保っていたつもりではある。保ってない? ま、いい。

 私が楽しければ、良し。基本だな。
 そんなの当たり前? もっちろん。しかし自分を楽しませるというのは意外と難しいという事実はご存知か?
 「私のために私が作ってやる」これがまずHPに関わる私の基本的態度である、ということをご理解いただいた上で次の回に進むとしよう。

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