2008年9月6日(土曜日)

久しぶり



まったく。
相撲取りが大麻を吸ったか吸わないかがトップニュースになるのだから平和なものだ。
厳しかった夏が撤退したと思ったら、首相も撤退した。
国家の代表が仕事を投げ出したところで大局にさしたる影響もないのだから良い国である。
近頃、ヨーカ堂で売っているあるラーメンが気に入っている。自宅で食べられるものとしてはかなりハイレベルのものだ。
この付け麺を食べながら、「政権放り出し」のニュースを見ていた。
麺をズルズル。
「おお、美味い美味い!こんな麺を自宅で食べられるようになったなんて!」
いたく感激しつつ眺めるTV画面には、小役人みたいな人が他人事のように自分の仕事を投げ出す宣言をしている。
「うんうん、別にあんたが辞めたところで全然問題なんかないよ。だって日本のラーメンはこんなに美味しいんだもん」
ズルズル。

しばらくブログの更新をお休みしていた。
別に放り出したわけではない。
単に、意識の大半を仕事に注ぐ必要があって、余裕が減衰していた。
久しぶりに絵を描き始めた。といってもコンテだが。
絵を描き始めると、脳のモードが変わるらしい。それもまたブログ開店休業の原因の一つであろう。

昨日は「日本工学院」蒲田校で、特別講義。
8月1日に「Creator’s Forum」というイベントに出演したが、この主催者であるクリーク&リバー社からの縁で、この特別講義にもお招きいただいた。
午前と午後の2回、漫画・アニメーション学科の学生相手に90分、同じ内容の講義を行ったのだが、何しろ朝が早いのがつらかった。
午前の講義は10時開始。ぐえ。
普段なら起きる頃である。
しかも、自宅から蒲田ははるかに遠い。
9時半に蒲田駅に着くために、自宅を出たのが8時過ぎ。
眠いったらありゃしない。
日本工学院はマンモス校で、蒲田の駅前はさながら工学院の「城下町」といった趣である。しかも、現在もまだ領土拡張を続けている様子で、周囲の店舗や住宅を次々と更地に変えている。工学院の領土内にぽつりと残された既存の建物が滑稽にして気の毒な風景を構成している。
聞くところによると、マンモス工学院は蒲田校だけでも6000人弱、近頃TVコマーシャルで見かける八王子校も入れると、総学生数は16,000人くらいだとか。
地方都市並みの規模である。

眠い頭を無理に呼び覚まして行った講義、その主な内容はこんな。

『時間と空間の密度』
NHK「アニ*クリ15」のために制作した1分間の短編アニメーション「オハヨウ」を題材に、その中間素材を交えながら、時間と空間の密度の演出について紹介する。
・講師自己紹介〜美術大学から漫画家、アニメーション監督へ
「やりたいことは特になかった」
・「オハヨウ」鑑賞〜画面の密度
「1度見ただけでは把握できないくらいの密度を」
・発想から絵コンテ
「1アイディアを育てて具体化する」
・カメラの運びと構図〜映像の「てにをは」
「構図は文脈で決まる」
・原画と動画〜時間の密度
「描きにくい絵に宿るリアリティ」
・撮出しの魅力〜密度をさらに高める
「密度にバランスを」
・最後に〜「やりたいこと」を生むために
・質疑応答

「オハヨウ」制作の監督のギャラは5万円という冗談みたいな額だったが(それも打ち上げの費用として消えたどころか、それでは足りなかったので赤字)、後々講義やイベントなどの素材として使えるという目論見はあった。
実際、この特別講義を始め、武蔵野美大・映像学科ゼミやアートカレッジ神戸でも手頃な素材として重宝している。
「元は取れた」のではないかと思う(笑)

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