ネット上のコミュニケーションを特徴づけているものの一つが、この掲示板という存在であろうか。BBSとも呼ばれるが一体何の略なのであろうか？

　調べてみると「Bulletin Board System」の略だそうだ。
　ウェブ上のとあるインターネット用語辞典によると
「パソコン通信ネットワーク局または電子掲示板のこと。NIFTY-ServeやASAHI-netなど全国規模の物から「草の根ネット」と呼ばれる地方型の小規模な物までさまざま」
　なのだそうだ。ちなみにここの辞典は様々な用語を時に皮肉混じりに紹介していたりなんかしていて面白いので、用語等の疑問の際にはご利用してみては如何だろうか。
　先日来話題になっている、伝言ダイヤルというのは私にはよく分からない手段であるが、匿名性と即応性でいえば今のところBBSもかなりいかしたアイテムだ。

　全国各地は津々浦々、明るく四角いモニター前の、見知らぬ貴方と見知らぬ貴方、電子の海の一休み、波乗り中の海岸で、袖振り合うも他生の縁、仲を取り持つ掲示板、どうぞ書いてね、書き込んで、言葉の切れ端夢の橋、きっと架けてね貴方の胸に、今宵一人の部屋の中、寂しい気持ちを察してね、つけて頂戴レスの山。
　なんだこの下らぬ調子は。

　私はけっこう好きな方だ、掲示板というのは。実際私自身、無料レンタルの掲示板を設置させてもらっているが、他の人のところでも割と見ていて楽しい、こともある。
　何と言っても大方のＨＰ制作者本人の、緩やかな更新よりも早いペースで新しい言葉がアップされているのだから、頻繁に見に行く価値もある。妙な話題で盛り上がっているのを端から見ているのも楽しいものだし。もっとも奥手の私は上手く話題に乗れないので、あまり書き込むことまではしない。ま、意外なところでちょっかい出したりしていることもあるが、どこに行っているかは聞かないで。それは野暮と言うものよ、娑婆の暮らしの憂さと苦さ、パッと晴らしてみましょうか、浮かれた話題の掲示板、たまにはバカもしてみよか、娑婆の飲み屋の酒代も、毎日続けちゃ身が持たぬ……だから、その下らない調子はやめろ。

　確かに掲示板というのは、ＨＰの鮮度を補う一助となるし、同好の士と知り合うこともできるので、ホストとしての責任と少々の負担を覚悟であれば設置する価値はあろう。「責任と負担」などと書くと気をを重くされる方もいるかもしれないが、要は新聞雑誌が好んで使う「ネット上の暴走」をさせなければ良いと言うことだ。もっともキミ自身が暴走していた日には何をかいわんや、であるが。
　自由な性格の掲示板と言っても、どこに設置されるかでその性格は自ずと形成されてくる。キミが設置するのであれば、それはやはりキミの運営態度が反映されるわけで、当然そこに責任が発生するであろうし、軌道修正や話題作りの必要も生まれてくるだろう。野放しはいかんぞ、野放しは。まぁ野放しにしてどこへ話題が転がっていくか実験してみるのも面白い、という意見もあるかもしれないが、それは無責任のいいわけにしか思えないのでお薦めしない。
　お酒を飲む人には特に分かるかもしれないが、飲み会と同じで初対面の人間同士でも話がしやすい状況を作り出すことが肝要なのかもしれない。

　私が掲示板を設置したのは1998年11月13日である。こういう日付が出てくると賢明な読者諸氏は「またそれかよ」という気にもなろうが、その通りである。
　私の掲示板「KONTACT BOARD」の誕生花は「こうすいぼく」で、花言葉は「忍耐」なのだそうである。どうだ？当たってるか？　キムタクと同じ誕生日だぞ。
　「心が広くて、やさしいあなた。知性的な魅力のある人。友達には寛大なのですが、恋人には、かなり厳しいほうです。欠点を見つけると、すぐ、嫌気がさしてしまう。なかなか心開かないこともあって、恋愛から結婚まで長い時間がかかります。きらめく未来を切り開こうと、可能性に賭けているのでしょう。つらくてもあきらめない限り、きっと幸せがやってます。」
　いつも利用引用させてもらっているこの花占いは、かなり恋愛よりなものなので一概には当てはまらないが、かなり痛いところを突かれているような気もする。
　当ページにリンクをしてくれているある人のコメントに、「ここの掲示板は業界筋の出入りが多く、自分で書き込むには勇気が要る」みたいなことが書かれていたし、カウンタが回る割には書き込みが少ない掲示板であると指摘する方もいらっしゃる。敷居が高いのかはどうかはともかくナットフレンドリーな態度なのであろうか。辛いな。
　しかし占いはこう言ってくれているではないか。「つらくてもあきらめない限り、きっと幸せがやってます」と。続けていく気はあるので掲示板の方もお気軽にご利用下さい。

　さて、この楽しい掲示板であるが、賑わうほどに楽しく嬉しいとはいえ、では逆に君の期待を裏切り誰もカキコしてくれず、寂れること過疎の村の如くなってしまったらどうするか。泣くか。貴方の来ない夜の部屋、落とす涙でぬらす袖、じっと見つめて耐えましょか……いや、君に涙は似合わない。誓った筈じゃあないか！？キミはキミのために作ると！
　賑わうことがなかったとしても、掲示板は作者であるキミにとって他に利点は多い。いくらまめな更新を心がけていても、キミにも私にも娑婆での現実的な労働は肉体に疲労と負担を強要し、ＨＰ更新への飽くなき強い意志を阻害することも多い。辛いな、社会人は。いや、ご老人だって学生さんだって疲れているだろう。ミミズだってオケラだって、アメンボだって疲れているかもしれない。
　深夜帰宅しさて更新、心で思って体で泣いて、せっかく浮かんだアイディアも、眠りの誘いにゃ勝てはせぬ、手軽なフェッチの転送も、この時ばかりは気が重い、そんな貴方の掲示板、転送いらずの書き込みで、今日の出来事伝えよか……一体どうしたんだ！？この調子は。何か湧いてるのか、私の頭。
　そうなのだ。虫が湧いているのだ。いやそうじゃなくて、掲示板。お気軽なのだ。お客さんが書き込むことも大切だし嬉しいものだが、作者自身にとってもお気軽なことこの上ない。
　FTPソフトによる転送の必要もないし、何よりＨＰ内の何らかのコーナーで書くほどでもないことを、気楽に書き込むことが出来るわけだ。映画を観てきた、ちょっと面白いテレビを見た、変な人を見たなどなど、取るに足らないことでもいいのだ。

　ＨＰの面白さは、勿論内容的な充実も大事だろうが、変化していくこと自体にあると思う。一定期間毎に変化のあるＨＰは、それだけで楽しみなものであろう。
　更新の話と重複するかもしれないが、キミがキミのＨＰに持つ興味より、お客さんがキミのＨＰに関心を寄せることは無かろう。キミのその態度はＨＰの変化の度合いで測られることが多い。想いだけでは通じない、私の胸の真心を、形にしなけりゃ通じゃせぬ、寸暇を惜しんで励みます、顔も分からぬあの人に、分かって欲しいのこの気持ち、きっと届いてちょうだいな……いい加減にしろ。