アニメの可能性

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2009/7/31 12:05 | 最終変更
操 
こんにちは。 またまた操です!
お忙しいところ、返信有難うございました。 早速プリントアウトしちゃいました。 これで、紙の厚さ二枚分、東京タワーより高くなりましたよ!!

今さんがお勧めくださった『戦場でワルツを』ぜひ見ますね! アニメとドキュメンタリーってまだなかなか感覚的に結びつかないですけど、以前に、イラン革命を時代背景にした、イラン人の監督の自伝的アニメを見たことがあります。アニメーション自体はすごくシンプルなんですけど、内容が日本のいわゆる巷にあふれているアニメと全く違っていて、新鮮さと可能性を感じました。 あ、アニメでこういうことをやってもいいんだみたいな。なんというか、“大人”なんです。 今さんの映画もそうで、多分私が今さんのアニメが大好きな理由のひとつは、稚拙さがないところだと思うんです。日本では今さんだけかもしれません。
アニメの技術はどんどん進歩して、画像的には何でも表現できるレベルまで来ているのかもしれませんが、内容的に貧弱なものが増えているような気もします。せっかく無限の可能性があるのに、アニメの枠から出ようとしないというか。でも、結局なんでもそうかもしれませんが、作り手の人間自身の勝負ということになるのでしょう。映画でも絵画でも文学でも、やはり作者のコアの部分がにじみ出るはずですもんね。私は今さんのクールかつ厳しい視点で物事を捉えてらっしゃるところがと〜っても好き!
今さんは、人間として中身がいっぱい詰まっておられるので、お時間が許せば文字にしてこのサイトで私たちにおすそ分けしてくださいね!

では、まだ暑い夏はしばらく続きますが、応援してま〜す!!
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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2009/8/3 13:35
s-kon  管理人 居住地: 東京  投稿数: 100
お褒めに与り光栄です。
「大人」なんですかね。あんまり縁がないというか、日常生活は子供じみている気がしますが。
私は何事も、いつまで経っても「ちゃんと」出来ないですよ。
封書を投函することだって面倒くさいですから、日常生活に必要なあれやこれの些事から大事なことまで、上手くこなせないことが多いんですよね。

じゃあ仕事ならどうかっていうと、これもまた同じようなもので、いつまで経っても素人くさいというか、確実な技術一つ身につけちゃいないんですよ、本当に。
相対的に言えば「上手いとされる」部分はあるとは思いますが、それも「下手じゃない」程度のことだと自覚はしています。
「稚拙さがない」とのありがたい評価ですが、自分では稚拙だと思うことばかりですし、都合次第で「アニメ」や「漫画絵」という表現の寛容さというか、世間一般のアニメに対する認識に甘えていることが多い。
言い方を換えれば「アニメなのに」と「アニメだから」を都合よく使い分けているんです。
まあ、それを利用しない手はないという考え方もあるんですけどね。
私の企画がアニメ雑誌とあまり親和性がないのはそういう事情も手伝っているでしょう(笑)

一方で、演出的にも作画的にも、確実なものなんか別に持ち合わせちゃいないんで、扱う対象にこだわらなくて済んでいるのかもしれません。
得意なものがあるとそれを繰り返したくなるのが一般的な傾向みたいですからね。
一度褒められたら繰り返すのが性というものなんでしょうか。
そういう作り方も商売として正しいと思いますし、職人的に一つのことを突き詰めていく態度にも憧れますが、しかし扱う題材が狭いのは縮小再生産につながりやすいようだし、突き詰めると言うよりは単なる自己模倣を感じることが多い。
キャリアのある人だけでなく、ろくにキャリアもないのに自己模倣に陥っている人、多い気がします。
私はすぐに飽きる方なので、一旦やったことは「もういいや」になりやすいかもしれません。
そのくせ「夢と現実の何たらかんたら」は繰り返しましたけどね。
でも扱い方が同じならせめて扱う内容は変えるといった変化がないと飽きます。
どうせ作るなら、なるべく見かけや内容(せめてどちらか一方でも)に馴染みがない方がいいと思って企画を考えます。それに、現在のアニメの作り方はシステムとしての限界を過ぎていると思うので、「作り方から作り変えたい」と思っているくらいです。
でもそうやって、技術が確実に根付く前に他のことに手を付けるから、何というか「プロフェッショナルの技」とか「セールスポイント」みたいなものが身につかないし、作るものはいつもカテゴリーの隙間みたいな位置づけになるのかもしれません。
ま、そういう性分だからしょうがないと諦めてますが。
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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2009/8/3 13:36
s-kon  管理人 居住地: 東京  投稿数: 100
>クールかつ厳しい視点で物事を捉えてらっしゃる

そんなこと言われるのは「と〜っても好き」です。
でも、今 敏という人間は別にクールでも厳しい視点も持ち合わせていないと思いますよ。
折に触れ、いつも自分は「見方が甘いなぁ……」と感じますし、戒めるようにしてきています。
最近、よく感じることですが、自分には特に優しい甘ったれた視点の人が増えすぎましたね。普通に仕事をしているだけで「仕事熱心」とか「仕事に厳しい」と言われてしまう世の中です。
相手が「普通」で自分が「普通以下」という考え方はしたくないんでしょうけど。それじゃ成長するわけがないでしょうにね。
自分が常に「フツー」でそれ以上の人は「特別」と思うような「不通の人たち」。
寝言はせめて寝ている間だけにして欲しいんですが、どこにでも寝ぼけているんだか眠っているんだか分からないような、どこかに脳を置き忘れてきたような人がたくさんいることですよ。
ほら、あなたの隣にも。

監督の仕事、アニメーションの仕事をする以前に強いられる負担が年を追うごとに増大しているように思えます。
近頃はこんなセリフを口にせねばならない機会が増えました。
「私はお前のお母さんじゃないんだよ」
「保母さんじゃないんだ、こっちは」
とかね。
そのうち仕事の話をする前に、おしめの心配からしなきゃならなくなるかもしれません。
全然笑いごとじゃないし。
仕事の能力も、日本の一社会人としての知能も礼儀も著しく欠けているくせに、自尊心という鎧だけを肥大させて、その自らの重さゆえに動きが取れなくなっている人たち。
見ているだけなら滑稽で済みますが、実際にそばにいると周りは迷惑なだけです。
もっとも、そんな人同士ならちょうどいいのかもしれませんし、みんながそうなれば誰も気にならないことでしょう。
そんなことを考えるだけでうんざりしますね。
でも、そんな気分で仕事をしていると、目の前にある新作『夢みる機械』の世界にことさら親近感を覚えて楽しくなってきます。
だって、人間がいなくなった世界ですからね。
や、爽快。
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