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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2009/6/11 19:39
麻衣子 
丁寧なお返事が頂けてとても嬉しいです
制作上の理由で鉛筆からシャーペンに変えられたんですね
絵コンテの1マスが縦横6センチと11センチというとかなり小さいと思うんですけど
縮小コピーも使わずに拡大コピーに耐えるだけの精度を持った小さな絵を描かれる上手さに驚いてしまいます
絵コンテ集での安藤雅司さんの「絵コンテの絵がレイアウトとして本当に使えますから。
絵コンテを拡大してレイアウトとして使ってもズレがないんです。
普通はどんなに精巧に描かれているように見えても、そのまま使うのは難しいんです」というお話を目にしただけでも
今さんがプロの中でも絵描きとしてどれだけ高い技術をお持ちなのかが伝わってきます
『パーフェクトブルー』は1ページあたり6マス分あるので更に絵が小さくなるにも関わらず
あれだけ細かく描かれているのは凄いと思いましたし
今さんが言われるような絵の荒さは感じませんでした
『パーフェクトブルー』の絵コンテの絵はその後の絵コンテと比べるとディテールの度合いが違うので
今さんの絵の根っこの部分が分かるような気がして見ていて別の楽しさもあります
シャーペンですが芯が0.5ミリのHBというと私がコンビニで買って使っている物と同じなので試しにカリカリと紙に落描きしてみましたが
得体の知れない動物っぽいものが描き上がっただけで
今さんがこれであの絵を描かれてしまうなんてどんな魔法なんだろうと素直に感心してしまいました
HBというとそれなりに筆圧も高めに描かれていると思うんですけど
時々は手首をくねくねさせたりなんかして大事にしてください
(言われなくても気をつけていらっしゃると思うんですけど
今さんの書かれた濱洲英喜さんのお話を読んだりするととても心配になってしまいます)
私は手がとても小さいので筆記具の太さを気にしたことがありませんでしたが
今さんは握りが太くないとダメなんですね
『海帰線』でテープや糸をぐるぐる巻きにしたペンの写真も見ました
鉛筆は日常生活からすっかり姿を消してしまっているので気付きませんでしたが使っているうちに短くなってしまうんですよね(当たり前だ)
「フットワーク」(手なのに?)がいい長さという発想もありませんでしたし
求める線の質によって鉛筆を立てたり寝かせたりしているというのも初めて知りました
時期的には『THE MEMORY OF MEMORIES』に載っている
今さんの非常識な程の細密な絵や
『METHODS』で見ることができる沖浦啓之さんが言うところの
「これは本当に人が手で描いたのか? 
何がどういうテクニックなのか、分からんぐらいに巧い。何が起きたのか分からんぐらい(笑)。
見た事がないぐらいの完璧さでしたよ。なんなんでしょうかね、まとまり具合の凄さというか。圧倒的でしたね。
しかも、描き方も巧いから、鉛筆使いで空気感を表してるんですよ。
線で描いたものなのに、写真のように見えるリアリズムというか、説得力があるんです。
建物なんかに興味があって、そういうのをサボらずに描いてきた蓄積が、あの時点で、かなりあったんでしょうね」という凄いレイアウトも鉛筆で描かれているんですね
今さんの絵はお名前が明記されていなくても綺麗な線とバランスの良さで
ひと目で判別できます
私は今さんのよく言われる“抑制の利いた”“温度の低い”線が大好きです
(NHKの『トップランナー』でも言われてましたよね)
やっぱり線は綺麗な方が絶対に華があると思います
今さんの清書される独特なタッチの入った「ハーモニー動画」も好きです
「弘法じゃないので筆は選びます」というのは謙遜されているのかもしれませんが
私のような素人から見るとどんな分野の人でも一流の人程道具にこだわりを持っているように思えます
「切れれば何でもいいや」というような調理用具に無頓着なシェフのいるレストランには食べに行く気は起こらないし
「音が鳴れば何でもいい」というレベルで楽器を扱っているミュージシャンの演奏は聴く気が起こりません
だから同じ硬度の芯でも用途別に使い分けたり紙との相性を考えて描かれたり
数種類の「0.5ミリHB」を買いそろえて使い比べていたりといった
今さんの道具に対するこだわりを伺えたのはとても嬉しいことでした
さすが一流の人は違うなと納得もできました
「弘法筆を選ばず」はWikipediaによると
「よい筆を使うことができなかったので、うまく書けなかった」という真逆の意味もあるそうです
実社会では「弘法筆を選ぶ」が本当だと思います
「筆記具は太く短く、人生は細く長くがモットー」
私にとっては今さんの映画は太いです
太いどころか「ごんぶと」です
これからもごんぶとな映画を永く創っていって下さい
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