Re: 絵の話
麻衣子
またまたお返事いただけてとっても嬉しいです
作画手順のお話興味深く読ませていただきました
私は今さんの絵を見るのは大好きですが自分では全く描かないので
絵の“基本”と呼べる考え方に触れることができて目から鱗がぽろぽろと落ちるような思いでいます
描き手によって作画の際に踏む手順はそれぞれ異なるとのことですが
今さんの経験則によって培われた手順はシンプルで理解しやすく普遍的なものに感じました
私は今さんの作品をできるだけ楽しむため作品のエンドテロップや
今さんの書かれた文章やインタビューの中に出てくるアニメーターの方々のお名前を頼りに
その方々を調べているうちに絵を見る楽しさにどんどんハマリ込んでいきました
見る専門の私にとっては絵描きの人達の技術はどこまでいっても魔法のようなもので
今回大魔法使いの今さんの解説によって魔法の秘密が少し分かったようでドキドキしました
集中力のお話にある「ゲームのステージをクリアするのと同じようなもの」という喩えは凄く腑に落ちました
私の実感からしても大きな目標に対しては即座に「ムリ」と思ってしまうのでその日ごとの目標に置き換えたり
それでもしんどい時には1時間ごとに「あと1時間頑張る」という謎な目標を立てたりしてその達成感の数珠繋ぎで1日をしのいでいたりします
レベルは違っても今さんがご自身の集中力に対して
絵の作業手順ごとにそういった配慮をされているというお話は参考になりました
(それでも今さんが鋼の集中力と鉄の意志をお持ちでいらっしゃることは絵コンテ集と映画を拝見すれば一目瞭然ですが)
私は最初パースという概念を知らなかったのですが
今さんの「記号の町」作成時のお話を理解するために自分なりに苦労して調べたりもしました
今だにその理解度は怪しいですが上下方向にもパースの付いたビルがどうやって描かれているかが分かってスッキリしました
左右方向のパースだけのビルの場合と違って均等に分割できないはずなのに
どうやって描かれているんだろうと不思議に思っていたのですがブロックを積み上げるように描かれていたんですね
(そういう描き方が実際にできることも今さんの説明を受けて調べてみて初めて知りました)
しかもその精度を上げるために2階分や4階分ずつ描いてそれを分割する工夫をされていたことも驚きました
単なるコンピューターの演算処理的なプログラムではない
絵描きの人ならではの“人間的な合理主義”のようなものを感じました
(こういうのを“職人の技”と言うのでしょうか)
構成の重要性は今さんの理性的で秩序立った絵を見れば分かりますし
秩序があるからこそそれを歪めたり破綻させた時に初めて効果が出るのだと思います
最初から勢いだけで破綻させたような絵だと作品の傾向が極端に限られてしまうだろうし
私自身そういった品のない作品にはあまり食指が動きません
一見豪華絢爛でド派手な装飾を施した作品でも違和感を覚えることがあるのは
今さんの指摘されたように話の面でも絵の面でも構成の弱さという致命的な弱点があったからなんですね
私が今さんの映画に惹かれたのは臨場感のある空間を感じたからという理由もあります
今さんの絵では汚しやタッチの入ったものも大好きで『セラフィム』は全話分ファイリングし
ていつも楽しく眺めています(たまーに読みます)
この傾向の絵も大好きなのでいつかは『OPUS』も全部読んでみたいです
あの緻密な絵コンテの絵が完成するまでの作業量には圧倒されてしまいますが
『東京ゴッドファーザーズ』の制作日誌で読んだ
「まずラフ描いて、さらにそのラフを少しクリンナップしたラフ描いて、さらにさらにそのラフをもっとクリンナップしたラフ描いて、
というシロウト目には既に下絵とも思える段階の3枚目のラフ作成中! ふー、凄さまじい」
というポスターの作画手順を知った時から
「この人は本気だ!」という感じをビシビシと受け取っていたので
今回具体的なお話を伺う事ができて本当に幸せでした
ありがとうございました
作画手順のお話興味深く読ませていただきました
私は今さんの絵を見るのは大好きですが自分では全く描かないので
絵の“基本”と呼べる考え方に触れることができて目から鱗がぽろぽろと落ちるような思いでいます
描き手によって作画の際に踏む手順はそれぞれ異なるとのことですが
今さんの経験則によって培われた手順はシンプルで理解しやすく普遍的なものに感じました
私は今さんの作品をできるだけ楽しむため作品のエンドテロップや
今さんの書かれた文章やインタビューの中に出てくるアニメーターの方々のお名前を頼りに
その方々を調べているうちに絵を見る楽しさにどんどんハマリ込んでいきました
見る専門の私にとっては絵描きの人達の技術はどこまでいっても魔法のようなもので
今回大魔法使いの今さんの解説によって魔法の秘密が少し分かったようでドキドキしました
集中力のお話にある「ゲームのステージをクリアするのと同じようなもの」という喩えは凄く腑に落ちました
私の実感からしても大きな目標に対しては即座に「ムリ」と思ってしまうのでその日ごとの目標に置き換えたり
それでもしんどい時には1時間ごとに「あと1時間頑張る」という謎な目標を立てたりしてその達成感の数珠繋ぎで1日をしのいでいたりします
レベルは違っても今さんがご自身の集中力に対して
絵の作業手順ごとにそういった配慮をされているというお話は参考になりました
(それでも今さんが鋼の集中力と鉄の意志をお持ちでいらっしゃることは絵コンテ集と映画を拝見すれば一目瞭然ですが)
私は最初パースという概念を知らなかったのですが
今さんの「記号の町」作成時のお話を理解するために自分なりに苦労して調べたりもしました
今だにその理解度は怪しいですが上下方向にもパースの付いたビルがどうやって描かれているかが分かってスッキリしました
左右方向のパースだけのビルの場合と違って均等に分割できないはずなのに
どうやって描かれているんだろうと不思議に思っていたのですがブロックを積み上げるように描かれていたんですね
(そういう描き方が実際にできることも今さんの説明を受けて調べてみて初めて知りました)
しかもその精度を上げるために2階分や4階分ずつ描いてそれを分割する工夫をされていたことも驚きました
単なるコンピューターの演算処理的なプログラムではない
絵描きの人ならではの“人間的な合理主義”のようなものを感じました
(こういうのを“職人の技”と言うのでしょうか)
構成の重要性は今さんの理性的で秩序立った絵を見れば分かりますし
秩序があるからこそそれを歪めたり破綻させた時に初めて効果が出るのだと思います
最初から勢いだけで破綻させたような絵だと作品の傾向が極端に限られてしまうだろうし
私自身そういった品のない作品にはあまり食指が動きません
一見豪華絢爛でド派手な装飾を施した作品でも違和感を覚えることがあるのは
今さんの指摘されたように話の面でも絵の面でも構成の弱さという致命的な弱点があったからなんですね
私が今さんの映画に惹かれたのは臨場感のある空間を感じたからという理由もあります
今さんの絵では汚しやタッチの入ったものも大好きで『セラフィム』は全話分ファイリングし
ていつも楽しく眺めています(たまーに読みます)
この傾向の絵も大好きなのでいつかは『OPUS』も全部読んでみたいです
あの緻密な絵コンテの絵が完成するまでの作業量には圧倒されてしまいますが
『東京ゴッドファーザーズ』の制作日誌で読んだ
「まずラフ描いて、さらにそのラフを少しクリンナップしたラフ描いて、さらにさらにそのラフをもっとクリンナップしたラフ描いて、
というシロウト目には既に下絵とも思える段階の3枚目のラフ作成中! ふー、凄さまじい」
というポスターの作画手順を知った時から
「この人は本気だ!」という感じをビシビシと受け取っていたので
今回具体的なお話を伺う事ができて本当に幸せでした
ありがとうございました
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投稿ツリー
- Re: 今さんの筆記用具についてなんですけど…… (s-kon, 2009/6/11 13:49)
- お返事ありがとうございます (麻衣子, 2009/6/11 19:39)
- 絵の話 (s-kon, 2009/6/12 14:04)
- Re: 絵の話 (麻衣子, 2009/6/12 20:59)
- Re: 絵の話 (s-kon, 2009/6/14 14:48)
- 手は大事にして下さい (麻衣子, 2009/6/14 20:06)
- 補足です (麻衣子, 2009/6/15 20:05)
- 今さんの筆記用具についてなんですけど…… (麻衣子, 2009/6/10 19:06)